1998 Fiscal Year Annual Research Report
各種の食べ物を咀嚼した時の心拍数とエネルギー消費量に及ぼす血流の応答
Project/Area Number |
09832011
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Research Institution | Showa Women's university |
Principal Investigator |
永田 由美子 昭和女子大学, 生活科学部, 助教授 (60054152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 修一 昭和女子大学, 大学院生活機構研究科・生活科学部, 教授 (70005586)
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Keywords | 熱放散 / 体熱産生 / テクスチャー / 脳総動脈血流速・量 / エネルギー消費量 / 心拍数 / 米飯 |
Research Abstract |
前年度から引き続き、同じ食材料(米飯)で物性やテクスチャーを変えた条件下で咀嚼させた場合の心拍数とエネルギー消費量を測定して、このパラメーターが咀嚼した食材料(米飯)の物性やテクスチャーの影響を受けることを確認し、この要因として、DIT(食事誘発性体熱温度)を表す鼓膜温度から求めた直腸温度は咀嚼後10分時点から60分までしだいにやや低下する傾向を示した。この傾向は普通の硬さ(米の2.2倍)に炊いた米飯が他の硬さの米飯より高い値であった。熱放散を表す腋下温度は咀嚼中から10分時点までやや上昇して以後60分まではプラトーになる傾向を示した。この傾向は普通の硬さの米飯は他の硬さの米飯より高い値であった。この体熱産生と熱放散との差の面積を米飯の硬さ(物性)別に求めて見たところ、普通の硬さの米飯(米の2.2倍,0.898kgf/cm):33.87cm^3, 硬い米飯(米の1.6倍,1.082kgf/cm):36.39cm^3,軟らかい米飯(米の3.0倍,0.384kgf/cm):34.97cm^3の値を得た。この値に有意の差はないが、硬く炊いた米飯を咀嚼すると体熱産生が高まることが示唆された。更に脳総動脈血流速や流量を測定した結果、安静時血流速値:22.2±2.1cm,安静時血流量:483±58ml/mに対して、硬い米飯は1.3倍、普通の硬さの米飯は1.1倍、軟らかい米飯は0.8倍の値が得られたことは硬い米飯をよく噛むことの有用性が示唆された。次年度からはこの成績を活用して、学童と高齢者を対象にしたフィールド研究を行い、噛むことの有用性を確かめる。
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