1999 Fiscal Year Annual Research Report
SRKラットの三叉神経運動核、顔面神経核、疑核ニューロンの細胞移動障害
Project/Area Number |
09832013
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
寺島 俊雄 神戸大学, 医学部, 教授 (20101892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 知志 神戸大学, 医学部, 助手 (90244681)
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Keywords | SRKラット / リーラーマウス / リーリン / 顔面神経核 / 疑核 / 三叉神経運動核 |
Research Abstract |
Shaking Rat Kawasaki (SRKラット)は、川崎市にある財)実験動物中央研究所のウイスター系ラットのコロニーに発見された常染色体劣性遺伝性の神経奇形ラットで、振戦、捩じるような異常運動、歩行障害等の小脳性運動失調を示す。一方、ヨタリマウスはinositol-1,4,5-triphosphateに対する受容体遺伝子の標的組換えマウスを作成する過程で生じた奇形マウスで、歩行失調、振戦等の運動性失調を特徴とする。SRKラット、ヨタリマウスともにリーラーマウスと同様の皮質構築異常を呈する。リーラーマウスでは脳幹の神経核、たとえば顔面神経核、疑核、三叉神経運動核の細胞構築異常があることが知られている。SRKラット、ヨタリマウスにおいてもこれらの神経核に異常があるかどうか検討した。 SRKラット、ヨタリマウス、対照動物の咀嚼筋(開口筋として顎二腹筋前腹、顎舌筋;開口筋として咬筋、側頭筋)、顔面筋(鼻唇筋、オトガイ筋、後耳介筋、顎二腹筋後腹)、腹部食道にワサビ過酸化酵素(Horseradish Peroxidase;HRP)を微量注入し、それぞれ三叉神経運動核、顔面神経核、疑核の運動ニューロンを逆行性標識し、HRP組織化学(TMB;Mesulam法)により標識ニューロンを証明した。SRKラット、ヨタリマウスともに、顔面神経核の外側亜核に分布する標識ニューロン群が、背腹方向に広く分布していた。また両ミュータント動物ともに腹部食道の横紋筋を支配する疑核ニューロンが、正常位置(いわゆるcompact formation)から第四脳室底に至るまで広く分布していた。三叉神経運動核については、大きな細胞構築異常を認めなかった。同様の結果が、lacZ組み替えアデノウイルス注入例においても得られた。 咀嚼に関わる口腔・顔面領域の筋を支配する運動ニューロン群(orofacial motoneurons)の細胞移動障害が疑われるリーラーマウス、SRKラット、ヨタリマウスは、これらの神経核ニューロンの細胞移動のメカニズム解明に有用な実験動物になりうることが期待される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Woodhams,P.L.: "Laminar boundaries persist in the hippocampal dentate molecular layer of the mutant shaking rat Kawasaki despite aberrant granucle cell migration"Journal of Comparative Neurology. 409. 57-70 (1999)
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[Publications] 寺島俊雄: "リーラーマウス顔面神経核の細胞構築異常"解剖学雑誌. 74(4). 411-420 (1999)
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[Publications] 寺島俊雄: "マウス大脳皮質の形成異常:リーラーマウスを中心に"脳の科学. 21(12). 1319-1324 (1999)
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[Publications] 寺島俊雄: "組換えアデノウイルスを用いた神経回路標識法"蛋白質核酸酵素. 45(3). 537-547 (2000)