1998 Fiscal Year Annual Research Report
電気測定によるバクテリオロドプシンとハロロドプシンのイオン輸送機構の解明
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09833001
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| Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
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Principal Investigator |
宗行 英朗 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (80219865)
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| Keywords | バクテリオロドプシン / ハロロドプシン / 能動輸送 / 電気測定 |
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| Research Abstract |
本年度は研究計画の最終年度であるが、ほぼ計画通り、コンデンサー用薄膜にバクテリオロドプシンおよびハロロドプシンを含んだ膜を吸着した系でイオン濃度を広範囲に変えられる利点を生かして、pHおよび塩素イオン濃度がこれらのイオンポンプの光駆動性電流に及ぼす影響を検討した。その結果バクテリオロドプシンについてプロトン輸送速度のpH依存性は、輪送経路の入り口及び出口のプロトンに対する親和性を反映しているらしいことがわかった。さらにハロロドプシンでも塩素イオン輸送速度の塩素濃度依存性から同様の結論が引き出されるとともに、輸送経路には複数のイオン結合部位が存在し、イオンの移動様式がいわゆるマルチイオンチャンネルと同様に表されることが示された。
またパルスレーザー光を励起光として用いることにより、single turnover中の蛋白内の電荷移動を直接測定する系を立ち上げて、バタテリオロドプシンの野生型、D96N変異体、H.salinarum由来のハロロドプシン、N.pharaonis由来のハロロドプシンについて測定を行った。その結果バクテリオロドブシンがμsec及びmsecのオーダーの時間領域で顕著な電荷移動を起こすのに対して、二種のハロロドプシンではmsecとsub-msecのオーダーで電荷移動を示すことがわかった。このハロロドプシンについての結果を時間分解分光測定による光サイクルのデータと比較することにより、0中閏体の生成と崩壊の時に電荷移動が起こる可能性が高いと結論できた。
以上の結果は前年度に提案したイオンポンプについてのモデルとよく一致するものであり、イオン輸送の一般的な機構として「エネルギー化と脱エネルギー化に伴って輸送イオンに対する親和性が変化するマルチイオンチャンネルを想定する」という考え方を支持するものである。
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[Publications] Muneyuki,E.et al.: "A new system for the measurement of electrogenicity producned by ion pumps using a thin polymer film: Examination of wild type bR and the D96N mutant over a wide pH range" FEBS Letters. 427. 109-114 (1998)
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[Publications] Yokoyama,K.et al.: "V-ATPase of Thermus thermophilus is inactivated during ATP hydrolysis but can synthesize ATP" J.Biol.Chem.273. 20504-20510 (1998)
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[Publications] Muneyuki,E.et al.: "Time-Resolved Measurements of Photovoltage Generation by Bacteriorhodopsin and Halorhodopsin Adsorbed on a Thin Polymer Film" J.Biochem.125,270-276(1999). 125. 270-276 (1999)
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[Publications] Tsunoda,S.et al.: "Cross-linking of Two Subunits in the Closed Conformation in F1-ATPase" J.Biol.Chem.274. 5701-5703 (1999)
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[Publications] Okuno,D.et al.: "Chloride concentration dependency of the electrogenic activity of halorhodopsin" Biochemistry. (in press). (1999)
