1997 Fiscal Year Annual Research Report
(6-4)光産物光回復酵素およびその関連蛋白の光生物学的意義
Project/Area Number |
09833003
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤堂 剛 京都大学, 放射線生物研究センター, 助教授 (90163948)
|
Keywords | 紫外線損傷 / DNA修復 / 光回復酵素 |
Research Abstract |
紫外線による主なDNA損傷としてピリミヂンダイマーと(6-4)光産物が知られている。(6-4)光産物の突然変異誘発能はピリミヂンダイマーに比べ格段に強く、生成量は少ないものの、紫外線の生物影響を考えるうえで重要な損傷であると考えられている。生物が紫外線によるDNA損傷を修復する機構の一つに光回復がある。光回復は、可視光のエネルギーを利用して紫外線損傷を修復するもので、間違いが無いうえに効率が良く優れたDNA修復機構である。バクテリアから有袋類まで幅広くその存在が知られている。光回復により修復されるのはピリミヂンダイマーのみであると信じられてきたが、我々は(6-4)光産物に特異的に働く光回復酵素がショウジョウバエ細胞に存在する事を世界に先駆けて見い出し、その遺伝子を単離した。更に脊椎動物であるXenopusからも同様の活性を持つ遺伝子を単離すると同時にヒトからもそっくりのアミノ酸配列を持つ遺伝子を単離し、この酵素遺伝子が現在生物に幅広く分布している事、さらにピリミジンダイマー光回復酵素、植物のblue light photoreceptor等とともに青色光を利用する蛋白としておおきな蛋白ファミリーを形成していることをあきらかにしていた。 本年度は、更にこのファミリーのメンバーを植物(シロイヌナズナ)やシヨウジョウバエから単離し、この蛋白ファミリーの全体像を明らかにしようとした。現在までに得られた遺伝子の分子進化学的な解析から、このファミリーは光回復酵素を祖先型蛋白として、真核生物への分岐以前に最低6回以上の遺伝子重複を繰り返し、この重複した遺伝子がその後様々な機能を持つように進化してきたものであることが解った。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] T.Todo et al.: "Flavin adenine dinucleotide as a chromophore of the Xenopus(6-4)photolgase." Nucleic Acids Res.25. 764-768 (1997)
-
[Publications] N.Uchida.et al.: "Photoreactivating enzyme for(6-4)photoproducts in the cultured gold fish cells." Photochem.Photokiol.65. 964-968 (1997)
-
[Publications] S.Kanai et al.: "Molecular evalution of the photolyase-blue light photoreceptor family." J.Molecular Evolation. 45. 535-548 (1997)
-
[Publications] T.Todo et al.: "Characterization of a human homolog of(6-4)photolyase." Mutat.Res.384. 195-204 (1997)
-
[Publications] T.Todo et al.: "Non-mutagenic repair of(6-4)photopraducts by(6-4)photolyase parified from Drosuphila melahogatder." Matat.Res.385. 83-93 (1997)
-
[Publications] K.Hitomi et al.: "Binding and catalytic properties of Xemopus(6-4)photolyase." J.Biol.Chem.272. 32591-32598 (1997)