1997 Fiscal Year Annual Research Report
Therapeutic Discourseに関する研究-TherapyにおいてTherapistの発話がclientに及ぼす影響-
Project/Area Number |
09834011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamanashi Junior College of Nursing |
Principal Investigator |
文珠 紀久野 山梨県立看護短期大学, 看護学科, 教授 (70191070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 祥子 鹿児島大学, 教育学部, 講師 (80223147)
谷崎 和代 鹿児島純心大学, 国際言語文化学部, 助手 (30269154)
太田 一郎 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (60203783)
安東 清 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (20151201)
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Keywords | 心理治療 / 談話分析 / Therapist / client |
Research Abstract |
平成9年度における研究では、データとして友人関係のトラブルという主訴で来談した18歳から20歳の女性の初回面接4事例と、2回の面接で終了した28歳女性の事例(主訴:鬱状態)を分析検討した。 初回面接のcounselingにおける言語行動に関して得られた知見としては、counselingの導入部分では、counselor、client双方とも乱雑で高い音調を伴う早口がみられるが、主訴等が述べられる場面に展開が生じたときには、clientの発話は、ゆっくりとなりくぐもった音調へと変化する。clientの発話の終了部分に関しては、発話を終了させようとしているかどうかの判断基準となる音調が不明確なまま沈黙を形成し、そのことによって発話の終了となる場合が多くみられる 2回の面接で終了した鬱事例の分析では、初回面接においては、面接のほとんどの時間はclientの発話であるが、話題のリ-ドをしているのはすべてcounselorであり、トピックの変更はcounselorがclientに質問をする形で行っている。counselorの発話は、clientの発言内容の理解、感情表出を促す発話がみられ、それらによって、clientの発話を促しclientが語りを継続できることを可能にしている。counselorの質問形式を検討すると、clientへの直接的命令よりも、願望や提案といった表現を使用している。 終了時の面接の分析からは、counselor、client両者の発話の長さはほぼ同じで、双方が聴き手、話し手の役割を交互に担っている。トピックの舵取りは両者が行使し、オーバーラップも頻繁に生じている。初回においてclientはcounselorからの質問には数秒の沈黙を経てから応えることがみられたが、終了時ではすぐの反応やオーバーラップがみられる。clientの声が大きく明るい音調へと変化していると共に、笑いが頻発している。
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Research Products
(1 results)