1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09835002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山 文隆 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40194641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 康夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60114386)
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Keywords | アルツハイマー病 / tau / lysosome / クロロキンミオパチー |
Research Abstract |
Tauはアルツハイマー病(AD)に特徴的なPHFの主成分である。PHFは痴呆の出現と一致することから、その形成機序の理解はADの解明につながる。昨年度までのクロロキンミオパチー(chloroquine myopathy)の解析で、tauが筋組織においてlysosome経路で代謝される可能性が強く示唆された。PHF形成のきっかけはtauの合成の上昇ではなく、分解の低下と通常考えられている。したがって、tau分解系、特にlysosomeとの関与を明らかにすることは、PHF形成の理解の一助となると期待できる。本年度の研究ではtauのlysosome代謝経路の検証を肝臓と脳で行った。 1. Tau transgenic ratの確立と肝臓での解析 Tauがlysosome経路で分解されるかどうかを薬剤処理が容易で細胞分画法が確立している肝臓で検討した。肝臓でのtauの発現レベルは低いので、まずトリβ-actin promoter制御下でtauを発現するtransgenic ratを作成した。このtransgenic ratの肝臓ではtauが過剰発現されていた。システインプロテアーゼインヒビターのleupeptinをこのratの腹腔内に投与し、Kominamiらの方法で肝臓のautophagolysosomeを分画し、tauが存在するかどうかを調べた。Leupeptin処理しないとtauは認められないが、leupeptin処理をするとtauのシグナルが認められた。この結果は肝臓においてもtauはlysosome経路で分解される可能性を強く示唆する。 2. Rat脳lysosomeとtauとの結合の解析 Rat脳よりlysosome膜を調製し、tauとの結合を調べた。その結果、tauはlysosome膜に結合し、その解離定数は8×10^<-7>Mであった。次にtauと結合するlysosome膜蛋白質(receptor)の検索を行った。Lysosome蛋白質をSDS-電気泳動で分離し、ニトロセルロース膜上に固定し、tauを結合し、結合したtauを特異抗体を用いて検出した。その結果、130、100、76kDaの蛋白質がtauと結合することが分かった。また、1%Triton X-100でlysosome膜を可溶化し、tauを固定したカラムに供し、結合蛋白質を分離した。N末端アミノ酸配列より、MP-50という蛋白質を同定した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Murakami,N.,Oyama,F.,et al.: "Accumulation of tau in autophagic vacuoles in chloroquine myopathy." J.Neuropathol.Exp.Neurol.57. 664-673 (1998)
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[Publications] Oyama,F.,Murakami,N.,and Ihara,Y.: "Chloroquine myopathy suggests that tau is degraded in lysosomes:Implication for the formation of paired helical filaments in Alzheimer's disease." Neurosci.Res.31. 1-8 (1998)
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[Publications] Oyama,F.,et al.: "Mutant presenilin 2 transgenic mouse: effect on an age-dependent increase of amyloid β-protein(Aβ)in the brain." J.Neurochem.71. 313-322 (1998)