1997 Fiscal Year Annual Research Report
コレシストキニン(CCK)A受容体遺伝子欠損と肥満、糖尿病の発症促進及び行動異常
Project/Area Number |
09835022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
太田 稔 (財)東京都老人総合研究所, 臨床生理部門, 研究助手 (70133634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 京子 (財)東京都老人総合研究所, 臨床生理研究室長, 部門長 (90166140)
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Keywords | 肥満 / 糖尿病 / コレシストキニン(CCK) / CCK-A-受容体 / NIDDM / 行動実験 / LTP |
Research Abstract |
Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty(OLETF)ラットはインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を自然発症し、コレシストキニン(CCK)-A-レセプターが先天的に欠損し中等度の肥満を伴い、生後18週齢位から耐糖能の低下、高血糖を発現する。 1.炭水化物分解酵素阻害剤の長期投与は、OLETFラットの肥満を予防し、高血糖、高脂血症を改善した。 2.脂肪の腸管からリンパ管への移送は正常ラットでは、年齢変化しないが、肥満のOLETFラットでは、18週齢以降で亢進していた。 3.肥満のOLETFラットは、8週齢では、正常ラットに比べエネルギー消費が高値を示すが、正常な日内変動を示した。しかし24週齢になると、変動が消失して平坦になることが示された。 4.OLETFラットにみられた肥満は、過食が主原因であることがはっきりしたので、過食の原因を中枢神経系から検討した。八方迷路実験、プール迷路実験では、目的地到達までの所要時間が長く、ことに2-5日目実験を繰り返した場合、初回の成績が顕著に悪かった。LTP(記憶の長期増強)は、低下の傾向がみられたが、統計学上有意ではなかった。これらのことから、肥満ラットでは、記憶を呼び戻すところに欠陥があるようであった。
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