1998 Fiscal Year Annual Research Report
視覚、聴覚および触覚を融合した仮想空間におけるヒューマンファクタについて
Project/Area Number |
09838004
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
米倉 達広 茨城大学, 工学部, 助教授 (70240372)
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Keywords | ヒューマンファクタ / 音響媒体 / 3次元空間インタフェース / 空間認知 / 視覚代行 / 触覚提示 / 感覚統合 / 3次元音響 |
Research Abstract |
筆者らは、最近その応用が盛んとなっている仮想空間構築の方法論を、視覚、聴覚、触覚の融合方法に関する理論的基盤を確立することにより達成しようとする。本報告ではそのための主たる予備実験として、個々の感覚モードを互いに分離し、それぞれが視覚機能をどのように代行するかを調査した。このための第1段階として人間の聴覚機能に着目し、視覚機能を主体とする空間認知の感覚機能をこれに代行させることを試みた。すなわち、音響媒体を用いた3次元位置情報の提示と3次元動作情報入力を用いた3次元空間インタフェースを提案し、視覚媒体を失った場合においても整合感のあるインタフェースを用いることにより、簡単な訓練のみで十分な空間認知が可能となることを実験的に証明した。これにより、視覚メディアの空間認知機能の補助として聴覚メディアの重要性を確認したのみでなく、聴覚メディアのみによる仮想空間操作の可能性を示唆した。 次に触覚提示装置を用いた空間認知方式を考案し、これによる周囲障害物までの距離感覚提示を試作した。具体的には、人間の蝕覚特性を独自の方式で計測し、そのうえで視覚情報を遮断した状態で同装置を用いて周囲障害物回避を伴う歩行実験を行った。その結果、適切なインタフェース方式を用いた場合、触覚メディアが視覚メディアの適切な代行機能となり得ることを示唆した。これらにより視覚的な障害を有する操作者や視覚機能低下者のための情報機器操作、生活環境把握の一助として、聴覚メディアならびに蝕力覚メディアが十分利用できることを主にタスクパフォーマンスを用いる方法論により確認した。 更に、各種の利用目的に応じた仮想空間の構築に際して、感覚統合を有効に用いた幾つかの事例を述べ、仮想空間における感覚統合の重要性とそのための方式についてまとめる。有効な仮想空間を構築する際、人間のもつ環境適応能力による感覚代行機能は極めて重要なヒューマンファクタであり、今後はネットワークインフラまでをも含めた分散仮想環境(Distributed Virtual Environment)構築に関するヒューマンファクタを調査していきたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 冨長 博: "音メディアを用いた3次元空間インタフェースの提案" 電子情報通信学会論文誌 D-II. V81・No.2. 352-361 (1998)
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[Publications] 小林 竜哉: "力覚フィードバック効果を利用した仮想着付け機能の提案" 日本VR学会仮想都市研究会技術報告. V98・No.14. 1-6 (1998)
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[Publications] 冨長 博: "茨城大学大学院理工学研究科博士学位論文" 音響媒体による仮想空間操作に関する研究, 55 (1998)
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[Publications] 高橋健一: "茨城大学大学院理工学研究科修士学位論文" 仮想音響空間における音像定位と頭部形状の関連性についての一考察, 55 (1998)