1997 Fiscal Year Annual Research Report
「うるささ」・「色相」騒音計による環境騒音の体験・教育システムの構築
Project/Area Number |
09838012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
柳沢 武三郎 信州大学, 工学部, 教授 (50020970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
降旗 建治 信州大学, 工学部, 助教授 (90021013)
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Keywords | 騒音計 / うるささ尺度 / 5色相尺度 / 環境騒音 / 自動車騒音源シミュレータ / 画像システム / 聴覚システム / バーチャル・リアリティ |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、騒音問題が深刻化している自動車騒音環境をシミュレーションし、実感的に体験できるシミュレータとそれによる騒音のうるささに対する心理的計量的評価感覚を育成・養成する教育のソフトを検討することである。 1.自動車騒音源シミュレータは、視覚と聴覚の両側面からハードの設計・製作をおこなっている。すなわち、(1)視覚システムは、視角が約42°のビデオカメラ(SONY DCR-VX1000)で道路を走行する自動車(速度 30km/h から 80km/h まで、道路端から 2.5m から 40m まで)を録画し、2台のビデオデッキ(aiwa HV-FR10)を用いて編集をおこない、その画像出力を6インチ液晶テレビ(SHARP 6E-C1)、21 インチテレビ(aiwa VX-T2151)、60 インチ液晶プロジェクター(ELMO EDP-2000)、および 52 インチグラストロン(SONY PLM-100)で再生できる。(2)聴覚システムは、上記録画の位置における二個の単一指向性マイクロホンによるステレオ録音・再生方式、並びに上記映像と同期した一点あるいは二点自動車騒音源モデルに基づく合成音、すなわち車種別走行音スペクトルを FIR ディジタルフィルタ(Redec Ex-Tool)でシミュレーションした定常騒音を用いて、左右のチャンネル間にレベル差をつけることにより移動感を出すスピーカ受聴方式、およびスピーカ再生時と同じ伝達関数にして音を鼓膜に伝えるヘッドホン受聴方式を新しく提案している。 2.上記シミュレータを用いた心理評価結果に基づく結論をまとめると以下のようになる。(1)バーチャル・リアリティの観点から、画面の大きさは 60 インチ前後が適切であること、(2)合成音の場合、一点音源モデルよりも二点の方が現実に近い主観的印象を与えること、(3)スピーカ、ヘッドホン両方式共に自動車の走行に伴う移動感、距離感および速度感のシミュレーションが可能であること、(4)各種騒音対策と心理量の対応関係が明確になり、経済的かつ合目的的に遮音材料の選定ができること等を明らかにしている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 降旗 建治, 柳沢 武三郎: "「うるささ」・「色相」騒音計の評価に対する地域特性" 電子情報通信学会技術報告. EA96-48. 35-42 (1996)
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[Publications] 畑中 正雄, 降旗 建治, 柳沢 武三郎: "透過損失のシミュレーションによる心理評価" 電子情報通信学会技術報告. EA96-49. 43-50 (1996)
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[Publications] 降旗 建治, 柳沢 武三郎, 畑中 正雄, 小崎 明広: "自動車騒音源シミュレータ" 電子情報通信学会技術報告. EA97-56. 33-40 (1997)
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[Publications] 降旗 建治, 柳沢 武三郎: "共通の騒音評価に用いる心理尺度の可能性" 日本音響学会講演論文集. 2-2-13. 709-710 (1996)
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[Publications] 畑中 正雄, 降旗 建治: "スピーカ受聴による自動車騒音源シミュレータ" 電子情報通信学会信越支部大会講演論文集. C1. 117-118 (1997)
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[Publications] 小崎 明広, 降旗 建治, 柳沢 武三郎: "ヘッドホン受聴による自動車騒音源シミュレータ" 電子情報通信学会信越支部大会講演論文集. C7. 129-130 (1997)