1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09838017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本多 裕之 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70209328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花井 泰三 名古屋大学, 大学院・工学研究, 助手 (60283397)
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Keywords | 感性情報処理 / 食品 / ニューラルネットワーク / モデリング / 定量化 / 味覚 / センシング / 嗜好 |
Research Abstract |
本年度の研究計画に基づいて以下のような研究実績をあげました。 (1).吟醸酒、ビール、コーヒーのうち、まずコーヒーについて、原料およびブレンディンクを変えたサンプルを作成した。すなわち、3段階にローストした5種類の豆を様々なブレンディング比で混合した合計67種類のサンプルを用意し、ぺ一パ-フイルター方式でドリップしたサンプル液を調製した。ガスクロマトグラフ、高速液体クロマトグラフにより、製品中に含まれるアミノ酸、有機酸、糖の含量を分析した。また、専門の官能士に感性評価も行っていただき、味覚嗅覚に関する感性情報として入手した。 (2).上記サンプル液の分析データと感性評価値の間のモデリングを重回帰分析(MRA)、ニューラルネットワーク(NN)、ファジィニューラルネットワーク(FNN)を用いて行った。構築した3つのモデルの入力項目および推定精度について比較したところ、MRAはいくつかの官能評価項目において精度が低く、NN、FNNモデルは1つの官能評価項目(Hard)以外の評価項目について高い推定精度を示すことがわかった。また、構築したFNNモデルからは定性的に理解しやすいメンバーシップ関数とプロダクションルールが抽出でき、品質設計などに利用できると考えられた。 (3).吟醸酒の嗜好の定量化についても研究した。官能評価点の異なる29点のサンプルを得、アミノ酸組成などにつき機器分析を行い、また、品質に関する5つの官能評価項目と総合品質についての評価データを収集した。モデリングはFNNと階層化FNN(HFNN)の2種類で行った。FNNモデルでは最大10%の高い推定精度が得られた。一方、HNNモデルでは推定精度は7%となり、さらに高い推定精度となった。この結果から、感性の定量化に関するモデリング手法としてFNNあるいはHNNが優れた方法であることが確認できた。
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