1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09838018
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Research Institution | KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
上田 充夫 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (20243123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 哲也 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 講師 (20252546)
浦川 宏 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (10183211)
梶原 莞爾 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (10133133)
平松 幸三 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70026293)
横川 公子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (50090923)
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Keywords | 感性 / ダイナミックス / 経時変化 / 繊維 / 染色 / 情報 / 服飾 / 音 |
Research Abstract |
一昨年度および昨年度に引き続き、繊維、染色、情報メディア、服飾、音環境など、我々の生活に密着した対象をモデルに、対象モデルの性質の経時変化を調べると同時に、対象モデルに対する人間の感性評価基準の経時変化に着目して検討を行った。 感性のダイナミックスは、対象物の物理化学的なダイナミックス(経時変化)に伴うものと、評価側の評価基準のダイナミックスとの両面を考慮する必要がある。本研究の最終年度となる本年度は、これまでの各分野における検討結果を総合して、人間生活に適合した感性ダイナミックスとはどのようなものかということを重点において検討を加えた。 例えば、染色の分野においては、過去ニ年間の研究から、伝統的な染色物のダイナミックスが、工業染色物のダイナミックスに比べて、異なった様相を示していることが明かとなったが、その相違の原因と、その相違が評価する人間にとってどちらが好ましいものかなどについて検討した。また、情報メディアを対象とする分析においては、今日の若者の行動基準のダイナミックスと情報メディアとの関係を明らかにすることができた。服飾を対象とした研究においては、新しい素材の出現が、人間の感性にどのような影響を与えるかについて、人絹の出現をモデルとして検討し、感性評価の基準が、一つの素材の出現で大きく変化する事例を明確にした。音環境を対象とする研究では、人間の生活環境の構築に音(サウンド)というものが非常に大きな因子となっていることを明確にすることができた。
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[Publications] 藤本憲一: "素(す)・イケ・ナマ・・・ティーンズの感性語彙と生活美学"ファッション環境. 8・2. (1998)
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[Publications] 藤本憲一: "モバイル・ノマド・ツーリズム時代の「中食」"ファッション環境. 9・2. (1999)
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[Publications] 平松幸三.他: "サウンドモノグラフ-音風景記述の方法に関する事例研究"サウンドスケープ. 1. 63-72 (1999)
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[Publications] 平松幸三.他: "サウンドスケープミュージアム-音風景の共有と保存の方法"サウンドスケープ. 1. 99-106 (1999)
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[Publications] 佐藤哲也.他: "扉の色彩計画における媒体間の差異"色彩学会誌. 23. 215-224 (1999)
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[Publications] 上田充夫.他: "羊毛の染色性および染色堅ろう性におよぼすプラズマ処理の効果"繊維学会誌. 55・3. 155-158 (1999)
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[Publications] 横川公子 他: "テキスト生活美学"光生館. 193 (1999)
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[Publications] 上田充夫 他: "染色加工の事典"朝倉書店. 505 (1999)