1997 Fiscal Year Annual Research Report
3D映像によるシネラマ酔の発症とエネルギー代謝の変化に関する研究
Project/Area Number |
09838023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井須 尚紀 鳥取大学, 工学部, 助教授 (50221073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 忠昭 鳥取大学, 工学部, 助手 (80196518)
菅田 一博 鳥取大学, 工学部, 教授 (80026020)
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Keywords | 3D映像 / 視運動刺激 / シネラマ酔 / 動揺病 |
Research Abstract |
1.大画面で大きな運動をする映像を見ていると動揺病(乗物酔)と同様の症状を呈する「シネラマ酔」が発症する。本研究では、回転と並進を種々組合わせた3D映像の視運動刺激を被験者に与えて、映像のどのような動きがシネラマ酔を誘発するのかを解析的に調べた。 2.偏光方式を採用し、2台の液晶プロジェクタおよび特殊スクリーンを用いて、3D映像システムを構成した。また、視覚性に鉛直方向の感覚を生じる程度の比較的単純な仮想現実3次元空間を構成し、その空管内に置いた視点(カメラ)を回転・並進させた時の視界を描画したアニメーションを製作した。 3.予備的実験により、視点の並進運動に比べて回転運動が動揺病を誘起しやすい結果を得た。 4.次に、視点の回転運動の自由度によるシネラマ酔発症の差異を調べた。視点をピッチ・ロール・ヨ-の各1軸回り、2軸の各組合せ、および3軸回りに回転させた。ここで、各軸回りの回転は、互いに素となる周期をもった正弦波関数で与えられる周期的回転とした。その結果、1軸廻りの回転に比べて2軸廻り以上の回転が有意に動揺病を誘起しやすいことが示された。 5.さらに、視点が水平面あるいは鉛直面で円運動する映像によるシネマラ酔発症の差異を調べた。カウンターロ-テーションにより回転を伴わない円運動に比べ、並進と同時に回転する運動が有意に動揺病を誘起しやすいことが示された。並進と回転を組合せた運動では、水平面での運動に比べて鉛直面での運動、特にロール回転を含む視運動が顕著に動揺病を誘起しやすい結果を得た。
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