1997 Fiscal Year Annual Research Report
生理量の非線形揺らぎと生体動画像の解析による感性の計測と定量化に関する研究
Project/Area Number |
09838025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
河中 正彦 山口大学, 工学部, 教授 (20035158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 憲 山口大学, 工学部, 教授 (10116717)
三池 秀敏 山口大学, 工学部, 教授 (10107732)
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Keywords | 生体信号 / 生体画像 / 非線形な揺らぎ / 動画像解析 / 生理量の特定 / 感性の定量計測 |
Research Abstract |
本年度は感性の計測と定量化を行うために必要な、基本的な実験設備の構築、計測法、解析手法を模索することを目的として、心電図、呼吸およびサーモカメラによる皮膚体温の同時計測システムを構築した。人間の心理状態の変化による生理量や自律神経活動は徴少だと考えられるため、まず計測システムや解析手法の検定を行うことを目的に、強い刺激として自転車エルゴメータによる運動負荷を与えた。そして運動前の安静時、運動中そして運動後の回復期における自律神経活動を調査した。心電図に対してはゆらぎ解析を行い、呼吸の解析結果を含めて交感・副交感神経の活動を評価した。2名の被験者に月曜日から木曜目まで自転車エルゴメータによるトレーニングを9週間与え、毎週金曜日にランプ負荷実験を行なった。そして運動負荷時およぴ回復時の心拍数一呼吸数の関係と自律神経活動の変化を解析した。比較のため運動者7名と一般者7名のランプ負荷実験も行なった。副交感神経活動の指標%RR50はトレーニングにより10%以上大きな数値を回復時に長時間持続するようになった。回復時前半に見られた副交感神経活動と交感神経活動の比HF/LFのピークはトレーニングとともに減少した。また運動負荷時後半のピークはトレーニングとともに半値幅を狭めた。心拍数一呼吸数の関係において、トレーニング開始前の被験者2名および一般者7名中5名は時計回りのヒステリシスを示し(9名中7名)、9週間のトレーニング後の被験者2名および運動者7名中5名は反時計回りのヒステリシスを示した(9名中7名)。トレーニングを行った2名の自律神経活動と運動能力は、一般者のものから運動者のそれへと変化した。 また、運動負荷実験前後のサーモカメラを用いた皮膚濃度分布時間変化の実験をあわせて行ない、現在動画像処理により解析を進めている。なお、本研究の成果は医用電子生体工学研究会(2月、佐賀大)で発表し、交感・副交感神経活動についての議論・コメントを得た。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Hidetoshi Miike: "Observation of Two-Dimensional Brownian Motion by Microscope Image Seguence Processing" J.Phys.Soc.Japan. 66. 1647-1655 (1997)
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[Publications] Kazuki Nakajima: "Evaluation of Body Motion by Optical Flow Analysis" Jpn.J.Appl.Phys.36. 2929-2937 (1997)
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[Publications] 水田義明: "地層科学研究における3次元境界要素法解析" 境界要素法論文集. 14. 105-110 (1997)
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[Publications] Ken kuriyama: "Elementary proof of Klarsons inequalities and their qenerelization" 山口大学工学部研究報告. 48. 119-125 (1997)
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[Publications] 河中正彦: "カフカとブロ-と(I)" 山口大学工学部研究報告. 48. 139-144 (1997)
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[Publications] 河中正彦: "カフカとブロ-と(II)" 山口大学「独仏文学」. 19. 53-69 (1997)
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[Publications] 水田義明: "演習 岩盤開発設計" アイピーシー出版, 506 (1996)
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[Publications] 三池秀敏: "非平衡系の科学III-反応・拡散系のダイナミックス-" 講談社サイエンティフィク, 198 (1997)