1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト頭蓋形態の地理的変異・多様性とその自然的背景-新人の起源と進化を探る
Project/Area Number |
09839003
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
埴原 恒彦 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (00180919)
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Keywords | 解剖学的新人 / 拡散 / 変異 / 形態 / 頭蓋 / 進化 / 起源 / 分布 |
Research Abstract |
現生人類集団の頭蓋形態とその地理的変異を明らかにするために、前頭部・顔面の平坦度について世界の112集団を、縫合間骨に関する非計測的頭蓋形態小変異の5項目(Inca bone,ossicle at lambda,parietal notch bone,asterionic bone,occipito-mastoid wormian)の出現頻度について82集団を対象として比較検討した結果、東アジアでは南北に大きく変化する地理的勾配が認められた。さらに、東アジア諸集団の特徴は、西ではアッサム、シッキム、チベット、ネパール地域まで追跡することが可能であるが、それ以西の集団ではかなり異なった形態的特徴を示している。また、アメリカ先住民の形態学的特徴が、ある面では北東アジア集団よりもむしろ一部の東南アジア集団に類似する。このことは、ユーラシア大陸東縁および環太平洋地域集団は、おそらく広義の東アジア南部を源郷とする集団である可能性を否定するものではない。一方、ユーラシア大陸の西では、南アジアから、西アジア、北アフリカを経てョーロッパに至る地理的勾配が認められるが、サハラ以南のアフリカ集団では、このような変異から離れ、独自の特徴を示す。この特徴の一部はオーストラリア先住民と共通する部分を含むことは、前年度の研究結果と矛盾するものではない。以上の結果は、サハラ砂漠以南のアフリカ集団が西アジアからおそらくはインドア大陸を経て東南アジア、さらにはオーストラリア大陸まで拡散していったと仮定することで説明可能である。このことは、現生人類の起源について、形態学的にもアフリカ単一起源説を支持できることを示唆していよう。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hanihara T,et al.: "Intra- and interobserver errors in facial flatness measurements"Anthropological Science. 107. 25-39 (1999)
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[Publications] Hanihara T: "Frontal and facial flatness of major human populations"American Journal of Physical Anthropology. 111. 105-134 (2000)
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[Publications] Hanihara T & Ishida H: "Os incae: Frequency variation in major human populations"Journal of Anatomy. 194(in press). (2000)
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[Publications] 埴原恒彦: "仙台市史 原始「人類の進化と仙台」"仙台市博物館. 10(466) (1999)