2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト頭蓋形態の地理的変異・多様性とその自然的背景-新人の起源と進化を探る
Project/Area Number |
09839003
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Research Institution | Saga Medical School |
Principal Investigator |
埴原 恒彦 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (00180919)
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Keywords | 頭蓋形態 / 人類学 / 形態小変異 / 地理的勾配 / 進化 / 新人 |
Research Abstract |
現生人類の起源に関しては、アフリカ単一起源説と多地域進化説の二仮説があり、今日まで議論されつづけているが、どちらかといえば前者を支持する研究結果が多いと思われる。この問題に対するアプローチは、形態学の分野では化石人類の研究に偏っており、したがって、化石サンプルの形態的解釈がその主たる論争の的になっている。ところが、どちらの説を採るにせよ、世界の様々な地域に分布する現生人類集団の変異がそれぞれの説におけるフレームワークの中でどのように説明されうるのかという問題は残されたままである。本研究では、世界の主要集団112サンプルを対象に、頭蓋計測値、非計測的特徴(解剖学的小変異)のデータを収集し、その地理的変異、多様性とその自然的背景を検討することによって、集団間関係がどのように説明され得るのかを検討した。 現生人類集団の頭蓋形態は、サハラ以南のアフリカ諸集団において最も変異に富み、また多様であった。また、これらアフリカ集団に最も類似する集団は近隣集団ではなく、オーストラリア先住民であった。また、いくつかの形質おいては、南北、あるいは東西の地理的勾配が見出された。このような形質の地理的勾配は環境又は生業形態への適応と遺伝的背景の両方の解釈が可能であろうが、いわゆるmarginal isolatesでは、周辺諸集団とは大きく異なる形質の地理的不連続も認められた。このことはその形質の遺伝的背景を示唆すると共にその集団における形態の-differential retentionあるいはspecializationを示唆するものとして重要な意味をもつ。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hanihara,T.: "Frontal and facial flatness of major human populations"American Journal of Physical Anthropology. 111(1). 105-134 (2000)
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[Publications] Hanihara T.,Ishida,H.: "Osincae : frequency variation in major human population groups"Journal of Anatomy. (in press).
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[Publications] Hanihara T.,Ishida H: "Frequency variations of discrete cranial traits in major human populations I..supernumerary ossicle variations"Journal of Anatomy. (in press).
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[Publications] Hanihara T.Ishida.H: "Frequency variations of discrete cranial traits in major human populations II.Hypostatic variations"Journal of Anatomy. (in press).
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[Publications] Hanihara T,Ishida H: "Frequency variation of discrete cranial traits in major human populations III Hyperostotic variations"Journal of Anatomy. (in press).
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[Publications] Hanihara T.Ishida H.: "Frequency variation of discrete cranial traits in major human populations IV.Vessel and nerve related variations"Journal of Anatomy. (in press).