1998 Fiscal Year Annual Research Report
化石のDNA解析による最終氷期以降の亜塞帯性針葉樹の時空分布変遷と種分化の解析
Project/Area Number |
09839004
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 三男 東北大学, 理学部, 教授 (80111483)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 潤 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (80272011)
|
Keywords | 化石 / DNA / 最終氷期 / 亜塞帯性針葉樹 / 積分化 |
Research Abstract |
前年度に引き続き,最終氷期の泥炭層を捜し,そこから球果化石,材化石等を採集した.前年度と同じ次の2地点,即ち,1)青森県十和田湖東方の浅水川流域および後藤側流域の露頭から,約13000年前の八戸テフラに覆われた埋没林,2)青森県の津軽半島西岸,木造町の出来島海岸の露頭から約25000年前の埋没林,の他,新たに次の2地点で試料を採集した.3)青森市の大矢沢野田遺跡の約30000年前の埋没林を構成する泥炭層.ここでは1)と同じ八戸テフラに覆われた埋没林が存在するが,良好な球果化石は得られなかった.4)仙台市三神峰の東北大学構内にある芦の口遺跡.ここは放射性炭素年代が測定されているが3.6万年を超えてスケールアウトしており,詳細な年代は不明である.恐らく5〜7万年前くらいと見積もられる. これらの地点では出土球果を現地で採集し,ドライアイスで冷却すると共に,堆積物の塊をそれぞれ200Kgほど研究室に持ち帰り,研究室内で化石を取り出して液体窒素に投入して冷凍保存した.これらの化石から全DNAを抽出し,前年度の試料と同じ領域の増幅を図って現生種と塩基配列を比較することを試みた。しかし,大矢沢野田の試料に関してはDNAの抽出に成功はしたものの,それの塩基配列の解読はまだ進んでいない.三神峰の試料からはDNAが取れなかった.時代が古くなると共にDNAの分解が進んだ為かと考えられるが,なお新たな試料での分析を試みている.
|