1998 Fiscal Year Annual Research Report
中国南西部における数種畑作物の遺伝的多様性に関する分子・細胞遺伝学的研究
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09839016
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| Research Institution | Okayama University |
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Principal Investigator |
吉野 熙道 岡山大学, 農学部, 助教授 (80033273)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 鎌司 岡山大学, 農学部, 助教授 (40161096)
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| Keywords | 中国南西部 / サトイモ / コムギ / 系統進化 / アイソザイム / 葉緑体DNA / 春播性遺伝子 / ABA応答性遺伝子 |
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| Research Abstract |
(1) 平成10年度に採集したクワズイモ属を多数含むミャンマーのサトイモ系統と、雲南省の系統のアイソザイム多型を分析し、これまでに推定した属間・種間の系統進化関係の確かさがさらに補強された。しかしクワズイモ属内の類縁関係については、さらに多数の材料を用いて調査して、形態学的分類と比較検討する必要があることがわかった。
また既に作出済みの、サトイモの野生型と栽培型間の交配後代の遺伝子分析も開始した。
(2) PCRにより、サトイモ属とクワズイモ属の葉緑体DNAの一部のイントロンとIGSの塩基配列を決定し、その系統進化関係がこれまでに得た系統樹と一致することを確認した。
(3) 人工交配により作出した、2倍体どうしのサトイモ・クワズイモ間のF_1を用いたRAPD、GISHなどの分析により、これが3倍体の属間雑種であることを確認した。これまでにアイソザイムやDNAによる分析から、属間雑種起原の可能性を推定した数系統のサトイモ属についての本格的な分子細胞遺伝学的研究に着手した。
(4) チベットの春播コムギは地域により遺伝子型が異なり、秋播栽培されている四川盆地同様にVm3型が適応している地域が確認された。春播コムギの常識を覆す結果であり、また四川省との直接的な関連をも示唆している。
(5) チベットのコムギ約600系統のエステラーゼ・ナイソザイム分析により、ネパール・ブータン→チベット→四川省へと至る地域で、ある程度の関連が認められた。これは南方ルートによる春播型コムギの導入を示唆するが、頻度が異なるバンドも見られたので、伝播に際して選抜圧が働いたものと考えられる。
(6) 低温、乾燥、多湿などのストレスに対する耐性と密接に関連するABA応答性遺伝子(Em,EmH2A)領域でのCAPS多型を検出し、シークエンスから多型領域を特徴付けた。
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[Publications] 吉野熙道: "「中国と日本のサトイモの系統進化に関する総合的研究」" 両備てい園記念財団生物学に関する試験研究論叢. 13. 145-152 (1998)
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[Publications] Nguyen,V.X,H.Yoshino and M.Tahara: "Karyotype Analyses on Diploid and Tetraploid of Alocasla odora(Roxb.)" AROIDEANA(Journal of the Intermational Aroid Society). 21. 8-12 (1998)
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[Publications] Nguyen,V.X,H.Yoshino and M.Tahara: "Genetic Control of Four Enzymes in Diploid Taro,Colocasia,esculenta (L.) Schott." Breeding Science. 48. 273-280 (1998)
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[Publications] 吉野熙道: "谷本忠芳著「日本産サトイモの分類および伝播」(1998,農耕の技術と文化 21,71-98)に対するコメント。" 農耕の技術と文化. 21. 99-104 (1998)
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[Publications] Yoshino,H.T.Ochiai and M.Tahara: "Phylogenetic Relationship between Colocasia and Alocasia Based on the Molecular Techniques." Proc. of Symp.on Ethnobotanical and genetic Studies of Taro Diversity in China,Laiyan(held by IPGRI and Chinese Soc.for Hort.Sci). in press.
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[Publications] 松本一信・加藤鎌司: "東アジアのコムギにおける適応と遺伝的分化 1.ABA応答性遺伝子領域におけるPCR-RFLP多型" 育種学雑誌. 48 別冊 2. 222 (1998)
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[Publications] 加藤鎌司・鷲尾建紀・辻本壽: "東アジアのコムギにおける適応と遺伝的分化 2.チベット在来品種の春播性遺伝子型及びその地理的変異" 育種学雑誌. 48 別冊2. 223 (1998)
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[Publications] Iwaki,K.and K.kato: "Geographical Variation of Vrn genotype in wheat caused by the selection for adaptability to winter coldness." Proc.9th Inter.Wheat Genet.Symp. (Canada). Vol.4. 39-41 (1998)
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[Publications] Kato,K., K,Matsumoto, T.Washio and M.Nakanishi: "Genetic differentiation among wheat landraces with diverse geographical origin and its characterization by molecular analysis." Proc.9th Inter.Wheat Genet.Symp. (Canada). Vol.2. 240-243 (1998)
