1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09839022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
嶌 洪 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (70038280)
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Keywords | 高等双翅類 / ヤドリバエ科 / 寄生 / 進化 / 適応 / 形態学 |
Research Abstract |
1.国内外の文献探索と,これまで代表者によって九州大学に蓄積されたデータや標本を整理し,ヤドリバエ科の寄主・寄生者関係と,比較形態学的な手法によって推定された系統分岐との相関について検討し,その結果を第3回アジア・太平洋昆虫学会議(台湾・台中)において発表した. 2.国内に保存される高等ハエ類について,その寄主,生息域などのデータを得るために,兵庫県立人と自然の博物館,農林水産省農業環境技術研究所において,標本と文献の探索を行った.これによって,従来知られていなかった新しい寄主が発見され,ヤドリバエ類の寄生生活への適応についての基礎的なデータがさらに蓄積された. 3.ヤドリバエ科の繁殖戦略と寄生生活への適応と進化過程を知るため,ヒトリガに寄生するグループであるCarcelia属の50数種について解剖を行い,成虫と一齢幼虫の形態を観察し,数種については飼育実験を行った.この結果,このグループでは少なくとも3回,卵生から卵胎生への進化が考えられること,卵胎生の中でさらに2回の違う方向への進化を考えざるを得ないことがわかった.現在この研究結果について,1998年夏に開催される国際双翅学会議での発表と論文を準備中である. 4.ヤガ類の寄生者である東アジア固有のヤドリバエの属100数種,旧北区と東南アジア産のハバチ類の寄生者20種,旧世界に分布する微小卵性のグループについて,分類学的な再検討を行うとともに,その生物地理的考察,姉妹群探索などについての研究を推進中である.
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