• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1997 Fiscal Year Annual Research Report

ホセア書の特質と宗教史的意義

Research Project

Project/Area Number 09871007
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

小林 進  立教大学, チャプレン室・チャプレン (30291735)

Keywords編集史的研究 / 編集批判 / ホセア書の特質 / 文書化 / 読み手ないしは受け手 / 語り手 / 預言文学の最終形態 / 編集プロセス
Research Abstract

今年度は当研究の対象であるホセア書に関する欧米の文献蒐集に努めた。とりわけ関心を払ったのは、従前の預言文学の編集史的研究に何か斬新な視点や方法が発見、開拓されていないかという点であった。そもそもこの方法が当初前提としたのは、前八世紀を境に預言者と呼ばれる人々の発話行為が比較的短期間のうちに多くは当人によって文書化され、その後の歴史的な状況に応じて彼らの使信が解釈、改定、付加などの文学的増殖を続けていったというものであった。その際、研究の関心はもっぱら文書化に携わった預言者とその後の編集者たち、即ち書き手の側に向けられ、そうした視点と一定の分析手続きによって、現在の形態に至るまでの預言文学の生成プロセスを解明しようと努めた。しかし最近の編集史研究は、書き手という視点のみによって預言文学の通時的な編集プロセスという問題を設定するのではなく、どちらかといえば現在の最終形態に十分な注意を払うことによって、推測されるその読み手ないしは受け手という視点をも取り入れて、この問題を複眼的に考察しようとするものである。こうした最近の動向の背後には、一方で預言文学の生成プロセスを目下のところ正確には解明出来ないという現状があり、他方で預言者の文筆行為を前提とするには預言文学の現在の形態が余りにも複雑であるという認識がある。従って、最近の編集史的方法は総じて言えば預言文学の生成プロセスの最終形態に焦点を合わせ、その時期をおそらく捕囚後のある時期と一般化することで甘んじている。だが、これは決して研究の後退などではなく、むしろ編集史的方法の限界を認識した当然の結果であろう。筆者が四年前(1994年)に方法論の議論で言及したのはまさにこの点であり、それは編集史批判から編集批判への重心の移動であった。とはいえ、学問は自己満足や限界認識に止まるものではない。引き続き、ホセア書の特質解明に努力したい。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi