• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1998 Fiscal Year Annual Research Report

ホセア書の特質と宗教史的意義

Research Project

Project/Area Number 09871007
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

小林 進  立教大学, チャプレン室・チャプレン (30291735)

Keywordsホセア書1-3章 / ホセアの結婚 / G.A.Yee / H.W.Wolff / 申命記史家 / 伝承史研究 / 結集史研究 / 「初め」(テフィラー)
Research Abstract

旧約聖書のホセア書冒頭の1-3章は、文体的にも様式的にも必ずしも一貫した纏まりを成していないにもかかわらず、ホセアの結婚に言及するところから、「ホセアの結婚」として知られている。この結婚への言及をめぐっては、それがホセアに関する歴史的事実なのか、それともヤハウェとイスラエルとの関係を示すアレゴリーなのか、シンボルなのか、譬えなのか、或いはドラマ化なのかといった議論が19世紀末から今日に至るまで多くなされてきた。過去1世紀の欧米の主要な研究誌に見られるホセア書研究の約3分の1近くがこの1-3章のホセアの結婚の記事に向けられてきたという事実は、ホセア書研究にとってこの記事をどう理解するかという課題が避けて通ることのできない問題であったことを物語っている。しかも、この1-3章の結婚の記事とそれに続く4-14章の使信とが、ホセアの活動とどのように関連するのか。或いはホセア書に編集史という研究視点を持ち込んだ場合、1-3章は4-14章との関係の中でいかなる役割や位置を担ったのかという問題については百家争鳴の感があり、未だ説得力のある結論を見るに至っていない。こうした状況のなかで一際目立つのがG.A.Yeeによる本格的なホセア書の編集史研究である(Composition and Tradition in the B00k of Hosea.A Redaction CriticalInvestigation,SBL 102,1987)。報告者は、例えばYeeがH.W.Wo lffにならって申命記史家による二次的な筆を識別しようとする点などには同調できないものの、伝承史という視点を越えて編集史に果敢に取り組む姿勢には首肯できるものがあり、彼女の研究を取り口として今後のみずからの研究を進めていく予定である。現在の関心は、1章2節aの「初め」(ヘブル語のテフィラー)という言葉をイスラエル宗教史のシンクレティズムの文脈の中で読み解くことがひとつの鍵ではないかと考えている。

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi