1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09871018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南 徹弘 大阪大学, 人間科学部, 教授 (40030043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今川 真治 大阪大学, 人間科学部, 助手 (00211756)
金澤 忠博 大阪大学, 人間科学部, 助手 (30214430)
日野林 俊彦 大阪大学, 健康体育部, 助教授 (80156611)
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Keywords | 歩行 / 運動発達 / 乳幼児 / 身体成長 / 成長・成熟 / 社会的発達 |
Research Abstract |
平成9年度の調査は、4月は「慣らし」期間とし、観察対象児の家庭環境等に関する基礎的情報を収集し整理した。観察は5月に入ってから開始し、まず歩行が完成していない10カ月齢、歩行が完成している乳児と完成していない乳児が混在している12カ月齢、及び多くの乳児の歩行の完成している14カ月齢の、〈各時期±1週間〉に午前の自由遊び場面から継続してVTR撮影とその日の周囲の様子を2時間記録した。撮影は、その日の調査対象児の移動、姿勢、物との関わり、保母との関わり、児同士の相互の関わりなどを留意して行った。また、1カ月に1回、身長・体重・胸囲・頭囲の計測があるので、それに立ち会い、資料を収集した。また、他の保育園の協力を得て歩行開始時期の身体成長に関する資料も併せて収集した。 今年度は、身体成長と始歩の資料の分析を行った。乳幼児の歩行は10カ月齢から次第に増加し12カ月齢の頃に歩行/未歩行がそれぞれ50%に達し、遅くとも18カ月齢までには歩行が完成することが分かった。歩行完成には、児の性の違い、母乳・人工乳・混合乳という栄養法の違いによる差異はみられなかった。出生順に関しては歩行開始のピークにわずかなずれがみられた。この点に関してはさらに検討する必要がある。歩行開始と身長や胸囲の増加の間に関連性はみられなかった。次に、歩行児/未歩行児を分け、それぞれの体重増加との関連性を調べた。歩行児は体重増加が大きく未歩行児は少ないという違いのあることが明らかとなった。この結果は、歩行が単なる成長の関数ではなく成熟と相関する可能性を示唆している。平成10年度は、これらの成長のデータをさらに詳細に分析を進めるとともに、移動・歩行発達と環境探索・操作・遊び行動、社会的行動の発達などの行動観察とその分析を行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 南 徹弘: "サルの初期母子関係における接触行動" 動物心理学研究. 47(2). 129-136 (1997)
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[Publications] 日野林 俊彦: "平成8年度大学進学志望経由に関する調査報告" 大阪大学保健センター年報. 15. 74-108 (1997)
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[Publications] 金澤 忠博: "極低出生体重児の成長発達と学齢期の問題" Journal of Clinical Rehaleilitation. 6(7). 705-713 (1997)
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[Publications] 南 徹博: "ブックガイド心理学" ローレンツ動物行動学(日本記事論社), 241 (1998)
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[Publications] 今川 真治: "サルとヒトのエソロジー" 群れ落ちるオスを追跡する(増風館), (1998)