1998 Fiscal Year Annual Research Report
“パタニティ・ブルー"の発生メカニズムとその防止対策
Project/Area Number |
09871028
|
Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
佐々木 保行 鳴門教育大学, 学校教育学部, 副学長 (60007961)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大日向 雅美 恵泉女学園大学, 文学部, 教授 (90213850)
|
Keywords | パタニティ・ブルー / 父親の役割 / 父子関係 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
本研究は、子どもの誕生初期にみられる“パタニティ・ブルー"と呼ばれる父親の役割をめぐる心理的動揺に関する現象をいい、これまで本邦においては全くといってよいほどの未解明の研究分野である。われわれは昨年度の研究に引き続き、今年度も先ず隣接する分野での内外の関連研究の文献収集とその考察を行った。その結果、直接関連する研究資料は極めて少なく、僅かに外国研究論文の中に、“パタニティ・ブルー"あるいは父親の軽い抑うつ症状を取り扱った文献を収集するにとどまった。 そこで父親研究の新しい側面からの研究を開発し、質的な展開をはかる上でも、また父子関係の心理・社会的研究の充実をはかる上でも、誕生から生後3か月位までの子どもをもつ父親の心理的動揺や父親としての役割をめぐってのフラストレーション等の心身の症状を調査する必要が生起する。 今年度は上記の子どもをもつ父親10人を対象に、個別面接調査を実施した。これは次年度に本格的な質問紙調査を実施する上で、これまでの文献的研究視点から、ないしは関連する調査研究からの質問項目の参照による調査項目の作成とあわせて、極めて有効な資料となった。さらに今年度は上記10人の父親の配偶者にも個別面接を行い、本調査の実施にあたって側面的ではあるが貴重な意見等の資料を収集することができた。 以上の調査資料を活用して、次年度の研究実施とその総括を行う予定である。
|