1997 Fiscal Year Annual Research Report
思春期における不適応行動の出現と家族ダイナミクスとの関連に関する縦断的研究-家族関係の形成史の視点から-
Project/Area Number |
09871032
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
菅原 ますみ 国立精神・神経センター, 社会精神保健部・家族・地域・研究室, 室長 (20211302)
|
Keywords | 思春期 / 問題行動 / 精神的健康 / 家族関係 / 縦断研究 |
Research Abstract |
本年度は、対象児童(小学校5年生および6年生)とその両親に対して以下の様な方法を用いて必要な変数測定を実施した:1)質問紙調査・・・約300家族に対して次のような内容のアンケートを郵送により配布・回収した:1)父親用アンケート→当該児童との親子関係、夫婦関係、家族関係、父親自身の精神的健康度と既往歴、パーソナリティ、家庭内の役割分業と性役割観、ライフスタイル等 2)母親用アンケート→父親と同様の内容に加えて、子どもの不適応行動および行動特徴のチェックリスト 3)子ども用アンケート→親子関係、子どもから見た両親の関係、家族関係、パーソナリティ、自己評価、悩み事、精神的健康度等。2)行動観察・・・親子(父子および母子)、夫婦,家族(父+母+対象児)それぞれの2者間および3者間の相互作用場面を実験室内で設定し、ビデオ録画をおこなった。質問紙に回答した家族のうち68家族が対象となった。 質問紙調査について基礎的な分析を実施し、児童期後期にある対象児童における様々な不適応行動(問題行動、精神的健康)の実施を把握した。さらに、子どもの抑うつ傾向に夫婦関係を中心とした家族関係が大きく影響していることも明らかにされた。今後、ビデオ録画された家族の相互作用場面の解析や、対象児が新生児期より繰り返し測定してきた縦断的な資料を含め、子どもの不適応発現に関わる家族要因について本格的な解析を実施していく予定である。
|