1998 Fiscal Year Annual Research Report
いじめ・不登校に対応する地域のネットワーキングの研究
Project/Area Number |
09871037
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
近藤 卓 東海大学, 健康科学部, 助教授 (60266450)
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Keywords | いじめ / 不登校 / 地域 / ネットワーキング / スクール・ソーシャルワーク |
Research Abstract |
1、 本年度の研究結果 本年度は、昨年度より継続中の地域におけるネットワーキングのための基礎的作業と並行して、「いじめ・不登校」といった問題の背景にある、子どもの生活・意識の実態を探ることとした。 昨今の中学生などによる凶悪な犯罪の発生や、いじめを理由とした自殺などにおいて、子どもの「いのち」に対する意識の希薄さが指摘されることがある。そこで、家族や身近な存在の死に対して、その体験の有無、その際の家族や親の対応、また現在の死や命に対する意識などを子どもたちから聞いた。 対象は中学生とし、大都市周辺部の住宅地域の公立中学校2校に依頼し、約350名の中学生がら回答を得た。方法は、学級担任によるクラスにおける集合調査であり、回収率は100%である。 調査内容の主なものは、「死別経験の有無」と「死別経験の際誰かと話し合ったか」そして「悩み・いのち・死・自殺」の意識についてである。死別経験は79.8%の中学生が、「あり」と答えている。ただ、その内「誰かと話し合った」かどうかについては、話し合ったというのは46.2%にすぎない。とくに興味深い結果は、命について深く考えたり、限りがあると意識したりすることのある中学生は、「話し合った」中学生であった点である。 2、 今後の展開 中学生を中心とした子どもの実態と意識をより深く探るとともに、それを踏まえて、子どもを支える地域のネットワーキングの重点目標を明らかにする。
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