1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09871060
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
芳井 研一 新潟大学, 人文学部, 教授 (90092634)
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Keywords | 間島問題 / 延辺 / 「満州事変」 / 移住朝鮮人 |
Research Abstract |
まず間島問題をめぐる根本資料を蒐集した。日本外交文書のうち間島にかかわる資料のうち「間島問題調書」・「間島問題及び満州五案に関する日支協約一件」などをマイクロフィルムで入手した。また国会図書館憲政資料室所蔵の「斎藤実関係文書」・「八田嘉明関係文書」から、関連する資料のマイクロフィルムを入手した。合わせて外務省外交史料館をはじめとする資料所蔵機関を訪ね、関連資料をコピーや筆写、マイクロフィルムに収集した。マイクロフィルム等の一部について、研究補助者の助けを得て、焼き付けたり整理を進めた。活字になっている基礎的資料については、その所在を日本・中国・韓国等のそれぞれについて確認し、『韓国移民史研究』・『警政資料』など関連する蒐集可能なものについて仲介業者を通して購入した。 他方今後の研究を進めるための基礎的な枠組みをまとめ、10月に北京大学で開かれた国際シンポジウム「日中間三国関係と東北アジアの平和的発展」に、「1920〜40年代の北東アジアの国家間関係を越えて」と題して報告した。間島問題を歴史的に整理し、三国に接する「地域」として調和的発展をはかることが、三国関係の平和的関係に実りをもたらすだろうことを展望した。またこれとは別に、間島問題が「日本海湖水化」論の起源になっていたことを明らかにし、豆満江開発論の先駆けとなった松尾小一郎の提言と活動をはじめて紹介した論文「「日本海湖水化」論の背景」を執筆した。
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