1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09871077
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 直哉 北海道大学, 言語文化部, 助教授 (60261228)
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Keywords | ソシェ-ル / 記号論 / 原資料 / ハイパーテクスト |
Research Abstract |
今年度の研究は、主として資料集めからスタートした。対象となった資料は、Cours do linguistique generale,edition critique,Rudolf Engler,Wiesbaden,Otto Harrassowitz,1967-1974.(以下、『校訂版』と記す)、及びCahier de Ferdinand de Saussureである。スキャナーによりテキストを読み込み、OCRソフトを用いて画像データを文字データに変換するわけであるが、最大の問題は、画像データから文字データへの変換率(文字認識率)である。当初、90パーセント前半であった文字認識率は、対象となるテキストを解体し、読み込み部分の凹凸をなくすことにより、95ペ-セントを越えるようになった。年度末の時点において、ほぼテキストの読み込みは完了し、スペルチェック機能や文法解析機能を有しているソフトを用いて、校正作業に入る予定である。 また、対象テキストの読み込みと同時に、テキスト同士にリンクを貼り、有機的に関連させるストラクチャー作りにも着手した。『一般言語学講義』に対応する形で『校訂版』の該当原資料を並列で提示。この作業を『一般言語学講義』の最終部まで続けると、『校訂版』が『一般言語学講義』の順に裁断され、断片的にしか概観することができない。よって、この断片化をさけるため、原資料部分にもリンクを貼り、『一般言語学講義』の該当部分を参照しながらも、原資料を断片なく読み通せるように、二重の構造を作り上げることに決定した。この方法により、従来の『校訂版』の利便性を継承しながら、同時に原資料の一貫性をも保つことができるという、画期的なテキスト空間が誕生するものと思われる。
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