1998 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ文学における他者としての「イスラム的なるもの」の研究
Project/Area Number |
09871079
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
足立 信彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10175888)
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Keywords | ドイツ / イスラム教 / 外国人 |
Research Abstract |
1 外国人作家の作品に対する批評、新聞記事、インタビュー等のデータ・ベースの作成。これは、オンラインによるデータ検索サービスを利用して、継続中である。 2 「寛容」概念に関する資料収集と分析。ジョン・ロックからビエール・ベールを経てレッシング、J・S・ミルにいたる近代的「寛容」概念の系譜を確認した。 3 現代の多文化社会における宗教的寛容政策はLiberallsm的アプローチとCommunitarism的アプローチに大別されるが、前者は依然としてロック的伝統の圏内にあることを確認した。後者の思想的源泉についてはなお検討の必要がある。 4 ドイツのようなLiberalismの伝統が脆弱な社会においては、むしろ「Communitarism」的伝統を多文化共存の基盤として生かす可能性が追求されなければならない。
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