1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09871080
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金沢 美知子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60143343)
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Keywords | 明治・大正期 / ドストエフスキー / アンドレーエフ / 翻訳文学 / 夏目漱石 / 森 鴎外 / ロシア文学 |
Research Abstract |
補助金が交付された二年間で、主として次の作業を行った。 まず、インターネット用にモデムを内蔵したパソコンを本研究の申請者の研究室に設置し、研究環境を整備した。現在、情報交換のためのネットワーク作りを進めており、これは今後さらに拡充されるであろう。 次に、国立国会図書館編『明治・大正・昭和翻訳文学目録』、東京大学文学部編『翻訳書目録』、吉田精一編『現代日本文学年表』を調査した。これにより、19世紀末から20世紀初めの日本でのロシア文学翻訳・紹介の実態がかなり明らかになった。作業は今後も継続して行う。 第三に、「日本におけるアンドレーエフ受容」については、アンドレーエフの戯曲作品を中心に、夏目漱石と森鴎外のアンドレーエフ受容を比較研究した。この二人の作家のアンドレーフ理解が英語訳、ドイツ語訳など、受容テキストとどのような関係にあるのかをさらに明確にしたいと考えている。 どの作業も継続中で、まだ完結していない状態であるが、結論の外郭は推量できるところまできた。今後は翻訳、紹介、評論等、さらに幾つかの資料を調査、考察し、それを踏まえて近代日本におけるロシア文学の受容の特徴を明らかにするつもりである。できれば来年度中に何らかの形で成果を発表したいと考えている。
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