1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09874024
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前田 吉昭 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40101076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 耕二 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (60229078)
伊藤 雄二 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90112987)
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Keywords | 非可換幾何学 / 非可換多様体 / 変形量子化 / 幾何学的群論 |
Research Abstract |
今年度は、非可換幾何学の構築に向けて、準備段階としての基礎研究から始めた。まず、非可換多様体の構成とその性質を調べた。非可換多様体は現在まで、それほど多く知られているわけではない。そこで、その例を多く構成することが当面の課題とされている。今年度は、3次元非可換多様体の概念を3次元球面を量子化することから与えた。これは、正則元の存在を用いて、形式ベキ級数として、実現される代数であるが、古典的な部分として、標準的な3次元球面が実現され、その変形量子化として与えられている。しかも、3次元球面がもつホップファイバーリングの構造が明確に表され、その結果として、2次元非可換球面が自然に現れて来ることが、解明された。この過程は、ちょうど幾何学的量子化に対応することである。次に、その表現論の構成を考察した。非可換環からはじめて、その表現を構成するのは、それほどやさしいことではないが、生成消滅演算の一般化をおこなうことで、その表現を精密に構成することが出来た。しかも、これはBerezin表現とよばれる表現と一致した。このことは、我々の設定がある意味で自然な非可換代数を与えていると評価できる。次年度は、さらに一般の非可換代数の構成とそれに基ずいた非可換多様体の例と幾何学の展開を試みたい。 さらに、今年度はコンパクト多様体のうえのリーマン計量全体のなす空間の幾何学的性質を微分同相写像の群の作用を使い調べることが出来た。これも、来年度、無限次元非可換幾何学の構成のための重要な布石となる。 また、共同研究者(藤原、伊藤)による幾何学的群とエルゴード理論の研究が精力的に行われ、その研究は来年度以降の非可換幾何学の立場から見直す予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Maeda,S.Rosenberg,Ph.Tondeur: "Minimal orbits of metrics" J.Geo.Phys.23. 319-349 (1997)
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[Publications] H.Omori,Y.Maeda,et al: "Noncommutative 3-sphere as an example of noncommutative contact algebras" Banach Center Publications. 40. 329-334 (1997)
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[Publications] H.Omori,Y.Maeda,et al: "Noncommutative 3-sphere" J.Math.Soc.Japan. (accepted).
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[Publications] H.Omori,Y.Maeda,et al: "Poincare-Cartan class and deformation quantization" Com.Math.Phys.(accepted).
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[Publications] D.B.A.Epstein,K.Fujiwara: "The second bounded cohomology of word hyperbolic groups" Topology. 36. 1275-1289 (1997)
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[Publications] K.Fujiwara: "The second bounded cohomology of a group acting on a Gromoy-hyperbolic space" Proc.London.Math.Soc.76. 70-94 (1998)