1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09874027
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
増田 久弥 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10090523)
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Keywords | 非線形光学 / 波動 |
Research Abstract |
非線形光学は光の存在によって物質の系の光学的性質の変化の結果おこる現象である。レーザーに代表される非線形光学を数学的に解明するのが、この研究の研究課題である。この方面の研究は数学的にはほとんどなされていない。 そのために、まず、この方面の工学的ならびに物理的側面を研究した。文献の整理・調査、基本的な文献の購入、論文の複写等から始めた。特に、 R.W.Boyd,“Nonlinear Optics",Academinc Press,(1992) V.S.Butylkin,A.E.Kaplan,Yu.G.Khronopulo,E.I.Yakubovich,“Resonance Interactions of light with Matter" Springer は、有益であった。 物質の分極P(t)はあてられる光の強さE(t)のベキ級数展開される場合が一般的である。しかし、複雑であるため、マックスウエル方程式を1次元で考え非線形性としてベキ級数の2次までの近似で研究されている点、また、形式的な議論が多い点があったが、特に、安定性の議論の欠如が大きい問題である。深い数学的な洞察の必要性を痛感した。これは、Lieb,Brezis,Coronらの変分問題にあらわれている液晶の研究と数学的には密接に関係するであろうと予想された。
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