1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09874028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川又 雄次郎 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90126037)
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Keywords | p-解析 / p-微分方程式 / パンルヴェ方程式 / 代数解 |
Research Abstract |
平成10年度の研究方法は,数理実験及び理論の成果をまとめ,新しい研究分野確立への準備とすることであった。そのため,国内外の研究者との交流を積極的に持続するとともに,研究代表者及び研究分担者は,得られた研究成果を各研究機関において積極的に発表した。その結果本年度はとくに,次のような数理実験による結果が得られた。 (a) パンルヴェI型方程式を「p-解析」すると,標数5の場合に第一積分が存在することは研究代表者により示されていた。実はそれだけではなくて,一般解が代数的に表されてしまうことが分かった。方程式は2階の常微分方程式であるが,解は1パラメータしかない。普通の解析的な微分方程式のときと大いに異なる結果ではあるが,「p-解析」的な微分方程式については,線形微分方程式であっても不思議ではない。 (b) パンルヴェII型方程式を特別な場合として含む,あるクラスの「p-線形」常微分方程式の積分が得られた。この場合も,代数的に方程式は積分され,解は1パラメータとなる。 本研究課題はパンルヴェ方程式等の完全積分可能系の研究から派生したものである。最近の成果により,パンルベ方程式には,きわめて豊富な構造をもった代数解が特殊解として存在することがわかっている。研究代表者が研究協力者との共同研究で得た成果は,裏面の研究発表欄の初めの論文として公表された。この結果が「p-解析」的な立場からみて,どのような意味を持つか,これは今後の研究課題である。
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Research Products
(1 results)