1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09874028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川向 洋之 三重大学, 教育学部, 講師 (00303719)
川又 雄二郎 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90126037)
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Keywords | p-解析 / パンルヴェ方程式 / 可積分系 / 代数解 / 非線形完全積分可能系 |
Research Abstract |
3年間にわたった本研究では,有限標数の体上で微分方程式を考察することにより,本来の解析的な研究にどのような新しい知見を生み出すか,さらに非線形微分方程式の「p-解析」として手法としても数学的対象としても確立しうるか,を探ることを目標としている。具体的な研究目的は,(1)パンルヴェI型方程式の「p-解析」の意味での第I積分の代数幾何学的意味(2)その他のパンルヴェ方程式の「p-解析」による可解性(3)本来のパンルヴェ方程式の代数解の構造,を調べ,それらの結果をもとに(4)非線形完全積分可能系の「p-解析」的な一般論の構築すること,を求めた。 現時点において得られた知見と結果は,(1)と(2)については以下の通りである。(a)パンルヴェI型方程式を「p-解析」すると,標数5の場合には,一般解が代数的に表されてしまうこと。解析的な微分方程式と異なり,2階の常微分方程式であっても解は1パラメータしかない。(b)パンルヴェII型方程式を特別な場合として含む,あるクラスの「p-線形」常微分方程式で,代数的に方程式は積分され,解は1パラメータとなるものが見つかった。(3)については,パンルヴェ方程式の代数解に関して研究代表者が研究協力者との共同研究で得た成果が,裏面の研究発表欄の初め2つの論文である。また,パンルヴェ方程式についてこれまでに得られた研究代表者の結果を概括し併せて,近年に得られた成果を公表した論文が第3のものである。今後、これらの結果から出発して,非線形方程式の「p-解析」に本格的に取り組むべく研究の計画を具体的に作り上げていくことが必要であろう。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] OKAMOTO Kazuo(共著): "Special polynomials associated with the rational solutions and the Hirota bilinear relations of the 2^<nd> and 4^<th> Painleve equations"Nagoya J.Math. (発表予定). (2000)
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[Publications] OKAMOTO Kazuo(共著): "Special polynomials associated with the Painleve equations, II"Proceedings of the TANIGUCHI Symposium 1997. 349-372 (1998)
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[Publications] OKAMOTO Kazuo: "The Hamiltonians associated to the Painleve equations"The Painleve property : one century later, Springer. 735-788 (1999)
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[Publications] KAWAMATA Yu-jiro: "On the extension problem of pluricanonical forms"Contemporary Math.. 241. 193-207 (1999)