1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09874030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 周 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50183520)
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Keywords | シュレディンガー作用素 / 半古典極限 / トンネル効果 / ランダム・シュレディンガー作用素 / 散乱理論 / リフシッツ特異性 / 磁場 |
Research Abstract |
物性物理の数学的構造の研究の具体的題材として、磁場を持つシュレディンガー作用素のスペクトルや固有関数の構造、シュレディンガー方程式の半古典極限、ランダムな磁場やポテンシャルを持つシュレディンガー作用素の状態密度関数の構造、多状態の粒子の散乱作用素の構造、等を研究している。 今年度の成果としては、以下のようなものがある。(1)ランダムな磁場を持つシュレディンガー粒子の状態密度関数のスペクトルの端点におけるリフシッツ特異性を証明した(2次元離散的の場合とユークリッド空間の場合。ユークリッド空間の場合の結果は投稿中)。(2)量子力学的粒子は磁場の効果によって局在しやすいことは物理的にはよく知られているが、固有関数の指数減衰の指数が大きくなることを厳密に証明した。(3)共鳴状態の近くで散乱作用素は特異的振る舞いを示すが、特にスペクトルシフト関数は階段状の関数に漸近的に近づくことを示した。 また、現在も継続中の研究としては以下のようなものがある。(1)2状態を持つシュレディンガー粒子の散乱行列の半古典極限の挙動を、相空間でのトンネル効果の評価を用いて調べる。(Andre Martinez, Vania Sordoni との共同研究)。(2)スペクトルシフト関数の手法を用いて、ランダムなシュレディンガー作用素の状態密度関数の連続性に関するWegnerの不等式の新しい証明を与える(Peter D. Hislop との共同研究)。
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[Publications] Shu Nakamura: "Lifshitz tail for 2D discrete Schrodingers operator with random magnetic field"Ann.Henri Poincare. (発表予定).
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[Publications] Shu Nakamura: "Spectral shift function for trapping energies in the semiclassical limit"Commun.Math.Phys.. 208. 173-193 (1999)
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[Publications] Shu Nakamura: "Tunneling estimates for magnetic Schrodinger operators"Commun.Math.Phys.. 200. 25-34 (1999)
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[Publications] Ira Herbst, Shu Nakamura: "Schrodinger operator with strong magnetic fields : Quasi-periodicity of spectral orbits and topology"American Math.Soc.Translations. 189. 105-123 (1999)
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[Publications] Shu Nakamura: "Agmon-type decay estimates for pseudo differential operators"J.Math.Sci.Univ. Tokyo. 5. 693-712 (1998)
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[Publications] Arne Jensen, Shu Nakamura: "The 2D Schrodinger equation for neutral pair in a constant magnetic field"Ann.Iust.Henri Poincare, Phys.Theo.. 67. 387-410 (1997)