1998 Fiscal Year Annual Research Report
有限グラフの高次連結度の計算とベッチ数列の消滅理論
Project/Area Number |
09874047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日比 孝之 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80181113)
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Keywords | 多項式環 / 外積代数 / Kruskal-Katona定理 / squarefree単項式イデアル / 次数付ベッチ数列 / generic initial ideal / 強安定単項式イデアル / グレブナー基底 |
Research Abstract |
当該萌芽的研究の平成10年度における研究では,古典的な有限集合の組合せ論における最高峰の定理の一つであるKruskal-Katona定理を多項式環におけるsquarefree単項式イデアルの次数付ベッチ数列の枠内で捕え,その代数的一般化の樹立に向けての研究を推進させた.従来,Kruskal-Katona定理を外積代数における斉次イデアルの次数付ベンチ数列の枠内で捕えることに我々は成功したが,外積代数における斉次イデアルの研究には外積代数におけるグレブナー基底の概念が使える等の理由で,多項式環におけるsquarefree単項式イデアルの理論と比較すると甚だ単純である.多項式環Aにおいて斉次イデアルIがあったとき,外積代数EにおいてIに対応するイデアルをJで表す.このとき,Iのqeneric initial ideal Gin(I;A)とJのqeneric initial ideal Gin(J;E)が定義される.基礎体の標数が0ならばGin(I;A)は強安定単項式イデアルであるが一般にはsquarefree単項式イデアルでは有り得ない.この現象が多項式環におけるsquarefree単項式イデアルの計算可換代数的な理論を樹立する際の障害となっている.この障害を回避すべくGin(J;E)に対応するAのsquarefree単項式イデアルI'を考え,Gin(I;A)とI'の相互関係を探る研究を遂行した.我々の第1の作業仮設はGin(I;A)とI'の次数付ベツチ数はすべて一致するというものであって,その証明に相当の時間を費したが,計算機において多数の例を検証した結果,Gin(I;A)とI'の次数付ベンチ数は必ずしも一致するとは限らないことが判明した.現在,Gin(I;A)とI'の次数付ベツチ数がすべて一致するための条件を探す努力をするとともに,Gin(I;A)と次数付ベツチ数がすべて一致するsquarefree単項式イデアルが存在する,という新たな作業仮設を提唱し,その証明に挑戦している.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H. Ohsugi: "Normal polytopes qrising from finite graphs" J. Algebra. 207. 409-426 (1998)
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[Publications] A. Aramova: "Squarefree lexsegment Edeals" Math. Z. 228. 353-378 (1998)
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[Publications] H. Ohsugi: "Koszal bipartite graphs" Adr. Appl. Math.22. 25-28 (1999)
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[Publications] H. Ohsugi: "A normal(0,1)-polytope none b whose regular triaugulations is unimodular" Discrete and C'omput. Geam.21. 201-204 (1999)
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[Publications] A. Aramova: "Ideals with stable Betti numbers" Adv. Math.(出版予定). (1999)
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[Publications] T. Hibi: "A comparability graph of a modular lattice" Combinatorica. (出版予定). (1999)