1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09874051
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂内 英一 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (10011652)
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Keywords | コード / 有限環上のコード / アーベル群上のコード / 重さ枚挙の多項式 / 量子符号 / 保型形式 / 有限群の不変式環 / coherent cofiguration |
Research Abstract |
コード理論の側面から代数的組合せ論を見ていくのがこの研究の主旨であった。コードは通常有限体の上で考えられてきたが、有限環Z/Z_4の上のコードの研究にはじまり、種々の有限環あるいは有限アーベル群上のコードの研究が最近始まってきている。代表者の研究もこの方向にそった研究を中心におこなった。まず、一般の有限アーベル群上のtypeIIコードの概念を導入した。これは有限環Z/Z_κの場合のtypeIIコードの概念を一般化するものであり、有効な概念であると思われる。この定義は有限アーベル群のdualityとその指標表のモジュラー不変性を用いて定義された。特別な有限環、例えば有限環R=F_2+uF_2(あるいはクラインの4元群)上のTypeIIコードの分類、特に長さが12および16の場合をおこない、その結果を用いてGauss環Z〔i〕上の種数2の対称Hermitianモジュラー形式の生成元を具体的に記述することを目指して原田昌晃、大浦学、宗政昭弘、S.Doughertyとの共同研究を開始したところである。コードの種々の重さ枚挙多項式と有限群の不変式環との関連、およびその保型形式の理論への応用は、種々の方向が考えられ、また目覚ましい成果が期待される。現在までのところ、論文に書き上げる一つ前の段階であるが、近い内にいくつかの具体的な論文としての成果がえられるのは間違いないであろう。代表者はこれらの問題以外にも、量子誤り修正符号についても群論の立場および古典的コード理論から興味を持ち、この分野への啓蒙的ないくつかの講演をおこなった。また、坂内悦子との共同研究で、ユークリッド空間内の2-距離集合の研究をおこない、coherent configurationsのユークリッド空間内への埋め込みについてのある種の特徴付けも得た。
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