1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09874052
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
櫃田 倍之 熊本大学, 理学部, 教授 (50024237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前橋 敏之 熊本大学, 理学部, 教授 (90032804)
横井 嘉孝 熊本大学, 工学部, 教授 (50040481)
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Keywords | 確率積分 / Itoの公式 / 複素ブラウン運動 / 複素ホワイトノイズ / 標準表現 / 非標準表現 / 確率微分方程式 / 部分積分 |
Research Abstract |
確率積分の基本はBrown連動(またはその微分であるホワイトノイズ)に沿う積分から出発した.本年度は複素Brown運動から出発した確率積分を定義し、Cauchry定理など複素変数関数の初歩的な定理を活用ながら、積分公式の明解な記述を行った。Itoの公式にみられるように実数値Browm運動から積分公式を導くと軌道の1/2Holder連続性の効果により2階の導関数までを考慮する必要があるが,複素数の世界では,実部と虚部のうまいキャンセル効果によりこの項が消失することがわかった.未だ適用する関数のモーメント条件が強いのが難点である.一方で、Brown連動の非標準的理論を研究して、Levyの導入した非表準表現が極めて自然にかつ系統的に導かれることを示した.この点は以前から考慮していたものであり,以前からの共同研究者と共著で既に論文にまとめている.全体的な結果は未だ論文として刊行していないが,Hitsuda積分として,いくつかの学術論文に引用されている. 萌芽的段階であるが,なるべく早くこの考えを育て上げたいと考えている.
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