1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09874053
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
栄 伸一郎 横浜市立大学, 総合理学研究科, 助教授 (30201362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 英二 東京大学, 数理科学研究科, 助教授 (80174548)
藤井 一幸 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (00128084)
一楽 重雄 横浜市立大学, 理学部, 教授 (30046130)
中神 祥臣 横浜市立大学, 理学部, 教授 (70091246)
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Keywords | 界面方程式 / 反応拡散方程式 / パターン形成 / 摂動展開 / 非線形発展方程式 |
Research Abstract |
今年度は、パターン形式に関わる問題のうちでも、特に媒体が3つの相を安定相として持つ場合における、相転移問題に着目することにした。これは、合金や結晶成長、或いは画像処理、3種競合生態系などにおけるパターン形成の問題に関連しており、3相が同時に出会う場所(triple junctionという)が発生する。従って、パターンの持つ構造を研究するためには、triple junction近傍における理論解析が必要不可欠であるが、それは一般には大変困難であり、空間が2次元以外では何も分かっていないのが現状である。 そこでまず、3つの安定相を持つ散逸系のプロトタイプとして、3つの種による競合生態系モデルを考察することにした。これは、3つの種のうちの、ただ一種のみが生き残り、他の2種は絶滅しているという状態を安定相として持つモデル方程式糸である。実際、3種が互いに強く競合している場合、各場所毎にはどれか一種類の種のみしか生存できないという状況が生じる。従って、3つのうちのどの種が生存しているかに対応して、3つの安定相が存在することになる。このモデルにおいては、種の間の競合の強さを変化させることにより、回転運動など、さまざまな時・空間パターンが生じることが、数値シミュレーションにより確認された。そこで、その中でも最も単純な運動形態である、曲率による遅い運動に対して理論的解析を試みた。その結果、形式的漸近展開の手法を用い、更に、これまで知られていなかった新しい量を導入することにより、triple junction近傍における最も特徴的な性質の一つである、3相の接触角度条件の導出に成功した。
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[Publications] S.-I.Ei: "Dynamics of interfaces in a scalar parabolic eguation with variable diffusion coefficients" Japan J.Ind.Appl.Math.14,No.1. 1-23 (1997)
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[Publications] S.-I.Ei: "Interaction of pulses in Fitz Hugh-Nagumo eguations" Reaction-Diffusion Eguations and Their Applications and Computational Aspects,China-Japan Sympo.World Scientific. 6-13 (1994)
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[Publications] M.Mimura: "Singular perturbation problems to a combustion eguation in very long cylindrical domains" AMS/IP Studies in Advanced math.3. 75-84 (1997)
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[Publications] 栄 伸一郎: "反応拡散方程式とパターン形成" 数理科学. 11月号. 23-29 (1997)