1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09874057
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
田村 元秀 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 助手 (00260018)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂田 和良 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (90270454)
海部 宣男 国立天文台, ハワイ観測所, 教授 (50011630)
林 左絵子 国立天文台, ハワイ観測所, 助手 (90183912)
|
Keywords | サブミリ波 / 偏光 / 星形成 |
Research Abstract |
星形成において磁場が重要な役割を果たすことは多くの理論的考察から予測されているが、その観測は星間吸収などのために、可視光・近赤外線によるアプローチでは限界があった。本研究の目的は、星形成領域においてとりわけ情報が少なかった、生まれたばかりの若い星(原子星やTタウリ型星)のまわりのガスとダストからなる星周構造、とりわけ、ディスクとエンベローブ領域の磁場構造を精密に測定することによって決定し、磁場が若い星の星周構造の形成・進化に及ぼす影響を考察することにあった。 今年度は、英国と共同開発したサブミリ波検出器(SCUBA)のための偏光器を完成させ、さらに、英国のサブミリ波専用望遠鏡JCMTに実際に取り付けて、いわゆるcommissioning runを行った。その結果、完成したサブミリ波偏光器は、波長350μm~1300μmの長い波長範囲にわたって高い偏光効率(95%以上)を持ち、装置の固有の偏光が非常に小さい(0.2%未満)、優れた偏光器であることが確かめられた。その結果、装置は公開装置としてJCMTを利用する観測者に共同利用可能なものとなった。また、装置を完成させたのみならず、この観測期間中に、従来の装置では観測が難しかった、微弱な天体(Tタウリ型星)を数個観測し、有意な偏光を検出することができた。このデータはTタウリ型星のディスクの磁場構造に関する初めての情報であり、現在解析を鋭意進めている。今後は、その解析の終了と、より多くのTタウリ型星および原始星の観測の推進を目指してゆく。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 砂田, 梅本, 田村 他: "Observation of the p Ophiuchi star forming region hith ISO PHOT,NRO,and NMA" ASP Conference Series. 132(印刷中). (1998)
-
[Publications] 伊藤, 高遠, 高見, 田村: "Computer simulations of stellar-coronagraph observations" 日本天文学会欧文研究報告. 50. 55-65 (1998)
-
[Publications] 田村元秀 他: "Identification of the exciting Source of Herbig-Havo objects 135-136" Mon.Not.R.Astron.Soc.287. 894-898 (1997)
-
[Publications] Yang, 大橋, 海部 他: "Detection of infall motion from the circumstellar disk associated with the exciting source of HH111" The Astrophysical Journal. 475. 683-692 (1997)
-
[Publications] Cho, S., 海部, 浮田: "SiO maser survey of late-type stars II. Statistical study" Astronomical Journal. 111. 1987-1999 (1996)
-
[Publications] 斎藤, 北村, 砂田 他: "Imaging of infalling disklike envelope around L1551 IRS5" The Astrophsical Journal. 473. 464-469 (1996)