1997 Fiscal Year Annual Research Report
一般化された共変微分と素粒子の統一理論(双線形写像族としての湯川結合定数)
Project/Area Number |
09874064
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
曽我見 郁夫 京都産業大学, 理学部, 教授 (20065832)
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Keywords | 拡張された共変微分 / ヒッグス場 / 重力場 / 準デモクラティック湯川相互作用 / CKM行列 / 普遍シ-ソ-機構 / 第二類拘束 / BRST量子化 |
Research Abstract |
本年度は、以下のような研究を行った。 ・拡張された共変微分の形式は、全基本フェルミオンを表現する多重スピノール場を構成し、それに作用する共変微分にガンマ行列の特性を利用してヒッグス自由度を担わせる。その形式で、標準モデルおよびSU(5)大統一理論の研究に引き続き、SO(10)大統一理論の定式化を行っている。平成9年3月に静岡で開かれた国際会議で予備的な成果を発表していたが、それらの詳細な研究成果をまとめて総合的な報告として会議議事録に掲載した。更に、この理論形式で重力場を統一的に記述するための研究を継続しており、その部分的な成果を第5回ウイグナーシンポジュームで発表した。また、これらのテーマを主題にして、平成9年11月7日と8日の両日、全国より20余名の研究者の参加を得て京産大で研究会を開催した。 ・準デモクラテッックな湯川相互作用から導かれるカビボ・小林・益川行列要素を分析し、実験値と良く一致する和公式を見出したので、その成果を論文として発表した。そのような湯川相互作用の起源を探るため、一つの有望な可能性として、ゲージ対称群をSU(3)×SU_L(2)×SU_R(2)×SU(1)に拡張するモデルで普遍シ-ソ-機構の研究を行い、その成果を論文にまとめつつある。 ・ゲージ場に代表される「第一類拘束を持つ系」はBRSTの理論形式で量子化されることが知られている。しかし、その方法を「第二類拘束を持つ系」に適用することは難しい。この困難を解決する手掛かりを得るため、具体的なモデルを設定してMarnelius教授(Sweden)と共同研究を行って来た。その成果を論文として発表した。
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[Publications] I.S.Sogami and H.Tanaka: "Generalization of Covariant Derivatvies-Towards a Unification of Gauge and Higgs Fields" Masses and Mixings of Quarks and Leptons,(World Scientific Pub.,1998),ed.by Koide.207-236 (1998)
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[Publications] I.S.Sogami and H.Tanaka: "Grand Unified Theories and Gravity in Generalized Covariant Derivative Formalism" Proceedings of the 5th Wigner Symposium,(Wien,August 1997). (印刷中). (1998)
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[Publications] I.S.Sogami,K.Nishida, H.Tanaka and T.Shinohara: "Approximate Sun Rules of CKM Matrix Elements from Quasi-Democratic Mass Matrices" Progress of Theoretical Physics. 99・2. 283-293 (1998)
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[Publications] R.Marnelius and I.S.Sogami: "Generalized BRST quantization and massive vector fields" International Journal of Modern Physics. (印刷中). (1998)