1997 Fiscal Year Annual Research Report
生体膜のイオンチャネル中の超イオン移転及びたん白質中の協同現象
Project/Area Number |
09874077
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 迪助 新潟大学, 理学部, 教授 (20018881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 道頼 新潟大学, 理学部, 教授 (00018269)
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Keywords | 超イオン導電体 / 相転移 / 拡散現象 / イオンチャネル / 酸素平衡曲線 / 酸素運搬効率 / 酸素親和性 / Bohr効果 |
Research Abstract |
強誘電体や超イオン導電体のdouble wellポテンシャルの2つの極小の間隔は格子定数に比べて極めて小さい.別の言葉で云えば,ミクロなダイポールが安定せず格子位置近くで点滅してゆらいでいる.基本セルとして3個のイオンを含む1次元の鎖を考え,セルの両端2つは同じものであり,真ん中にはいるイオンより質量は十分重いとする.軽いイオンの対称位置は横光学フォノンとの相互作用により不安定になることは容易に示せる.イオンチャネルの開閉過程でS4α-ヘリックスが主要な役割を演じていると見る向きの証拠はかなりある.α-ヘリックス中の水素結合はN-H-O型の非対称な鎖を表す.プロトン超イオン導電体との類似性を試み,チャネル中の伝導パス形成について発表予定である[1]. 他方,精密な酸素平衡曲線に基づいて実際の生体内の酸素分圧条件下では,胎児の酸素分圧環境下では胎児ヘモグロビンは常に最大の酸素運搬効率が発揮できるように,また,成人ヘモグロビンの場合,安静状態での酸素分圧環境下では酸素運搬効率はある程度抑える反面,Bohr効果の寄与が最大になるように,そして運動状態では高い酸素需要に対応できるように,それぞれのヘモグロビンの酸素親和性が設定されていることを明らかにした[2]. [1]小林迪助,A.Rakitin:日本物理学会講演予定(1998年3月30日),[2]小林道頼,今井清博:日本生理学雑誌59(1997)439.
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