1998 Fiscal Year Annual Research Report
アコースティックエミッションを用いた相転移および自己組織化臨界現象の研究
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09874080
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
川口 高明 島根大学, 教育学部, 助教授 (10273913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋重 幸邦 島根大学, 教育学部, 助教授 (50159331)
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Keywords | アコースティックエミッション / 相転移 / 自己組織化 |
Research Abstract |
2種類の固体の接触界面を記述する理論的モデルを構築し,数値シミュレーションと解析的摂動計算の方法を用いて,界面での相互作用エネルギや弾性エネルギの解析を行った。そして,まず,界面でのピン止め状態において,界面での原子の再配列による構造相転移が生じる事を明らかにした。そして,この現象とスライディング時のアコースティックエミッション現象の関係を調べるために,ピン止め状態に対して外力を印加してデピニング転移を生じさせ,その後のスライディング運動状態を中心に調べた。ここで,その状態におけるアコースティックエミッションと類似の格子振動励起現象に着目して,運動状態を考察した。それによると,ピン止め状態では,界面における複雑な原子配置が実現し,低速度のスライディング状態では,さまざまな励起モードが関与して,界面は非一様な運動形態を示すことが分かった。そして,スライディング速度が上昇するにつれて,関与する励起モードは減少し.一様な運動形態を示すスライディング状態が現れることも明らかになった。また,低速度域での界面における原子の非常にスローな運動の中に自己組織化臨界現象に見られるようなアバランシェ的な振る舞いを観測した。このダイナミクスを原子の速度ー速度相関関数の点から調べた結果,その相関距離の中に発散的振る舞いを見出した。これらの結果から,動的臨界現象が低速度スライディング状態の界面のダイナミクスを支配していることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takaaki Kawaguchi: "Anomalous pinning behavior in an incommensurate two-chain model of friction" Physical Review. B58・23. 15866-15877 (1998)
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[Publications] Takaaki Kawaguchi: "Plastic flow in a driven random-field XY model" Physics Letters A. 251. 73-78 (1999)
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[Publications] Takaaki Kawaguchi: "Slow sliding dynamics and velocity correlation in driven lattice systems" 8th Tohwa University International Symposium on Slow Dynamics in Complex Systems. (印刷中). (1999)