1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09874086
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
清水 裕彦 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員 (50249900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼柳 義明 北海道大学, 工学部, 教授 (80002202)
古坂 道弘 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (60156966)
奥 隆之 理化学研究所, 計算科学研究室, 協力研究員
加藤 博 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 先任技師
松岡 勝 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 主任研究員 (30013668)
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Keywords | 超伝導トンネル接合素子 / 光検出器 / 低温計測 |
Research Abstract |
本研究では磁場勾配を用いて中性子ビームの空間的な形状やビーム発散を制御し、高密度中性子ビームや平行性の良い中性子ビームを得る可能性を探究し、実用化への基礎とすることを最終的な目的とするもので、六極磁石を製作の後、中性子が偏向を受けるという現象を実測することが本研究期間の成果目標である。 ネオジム系の永久磁石を用いて有効径9ミリ、長さ2メートルで、磁場勾配はビーム軸からの距離をρ、|B|=cρ^2としたときにc=4×10^4[T/m^2]である。磁石の入り口に点中性子源があったとすると、この磁石の出口に焦点を結ぶ中性子の波長は13Åである。この収束現象を実測するための実験は北海道大学工学部にある45MeV電子線形加速器を利用したパルス中性子源を用いて行った。磁石はモデレータから3メートルの所に置き、入口と出口に直径2ミリのカドミウムスリットを設けて、透過する中性子数をTOF法で測定した。磁石内壁面からの中性子反射を防ぐために、内壁面の一部分をカドミウムで覆い、磁場による効果のみを取り出せるような構成にした。着磁された磁石のセットと全く同じ構成で磁石が未着磁のものを用意し、両者を通過した中性子数の比を以て磁場による収束効果を表わす指標とした。これをRとする。測定の結果Rは13Åにピークを持ち、R〜30に達した。これは、磁場が一切無かったときに比べて30倍のビーム密度になっていることを示す。またその波長依存性はほぼ計算通りであったため、磁場勾配を用いたビーム制御の原理は実験的に立証された。
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Research Products
(1 results)