1998 Fiscal Year Annual Research Report
超低周波音波の観測による積乱雲中の熱気泡の挙動の研究
Project/Area Number |
09874091
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
田平 誠 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80024008)
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Keywords | インフラソニック波 / トリパタイト / マイクロバロムス / メソスケール擾乱 |
Research Abstract |
平成10年度においてはインフラソニック波の観測設備を点検整備し、連続的な観測を実施した。トリパタイトを構成する3台のマイクロホンによってピックアップされた気圧変動を2分ごどに区切ってデジタルに変換し相関解析によって信号到来の有無を確認し、到来した信号についてはハードディスクに記録を残すようにした。平成10年1月1日から12月31日の間にこのようにして観測されたインフラソニック波の件数は1月172件、2月181件、3月54件、4月0件、5月2件、6月0件、7月0件、8月156件、9月96件、10月14件、11月120件、12月150件、合計945件である。途中4月〜7月の間はケーブルの不調により信号の検出のできない時期があったが、予想外の多数の信号検出が行えた。検出された信号の大半は海洋上の発達した低気圧域で発生するマイクロバロムスであるが、発生源が不明のものも多数含まれている。とりわけ、比較的長周期でV字型をした信号が目立って多く観測されており、その到来方向からして新幹線列車のトンネル突入によって発生した微気圧波が候補として考えられるが、今後は移動観測などを実施してその確認を行う必要がある。この研究の本来の目的である、メンスケールの擾乱に伴ったと見られるものも2例くらいは含まれており、レーダー観測資料との対照を行うなどしてこれらのデータに基づいてこうした信号の発生源の特定と発生条件を調べていくこととする。
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