1997 Fiscal Year Annual Research Report
自己修復能を有するデンドリマ-型超分子の合成と機能化
Project/Area Number |
09874122
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 啓二 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50012456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今久保 達郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (60291332)
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Keywords | 水素結合 / 超分子構造 / ニトロキシドラジカル / デンドリマ- / 有機磁性 |
Research Abstract |
本研究は、Y字型に枝分かれした分子骨格の三つの末端部位に分子間引力の作用点を導入し、この分子を集合化・集積化させることによりデンドリマ-型の超分子集合体を構築することを目標にしている。 まず、フェニルホウ酸のHO-B-OH構造をY字型の枝分かれ部位とし、ニトロキシド基NOを水素結合の受容部とするニトロキシドを置換したフェニルホウ酸類を二種類合成した、そのX線結晶構造にはY字部分を利用したNO…HO-B-OH…ON型の水素結合の存在が見られたが、溶液での疑集状態を知るため、NMR、IR、UVの濃度依存性、濃度による濁度の変化等を検討した限りでは、溶液中での集積状態について明確な情報は得られなかった。しかし、この化合物者の結晶では、NOラジカル中心間に強磁性的相互作用があることが見出された。 次に、NO…HOの分子間水素結合による集積化が可能なピリミジン環(六員環内にNが2個)とフェノール部位をアセチレン結合で結んだY字型化合物の合成を試みた。また、フェノール環の代わりにヨードベンゼン環を組み込んだ化合物を合成し、N…Iのヘテロ原子間相互作用による集積も試みた。後者の場合、化合物の合成に成功した。この分子は結晶化せず、規則的周期構造に集積しにくいことから、Y字型集積の可能性が示唆された。溶液での挙動についても、濃度変化に凝集状態の特異性を示唆する徴候が観測された。 今後、さらに、この化合物の構造修飾体を設計・合成して、集積化の特異性を検討する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Akita: "Magnetic Properties of Nitronyl Nitroxide Radicals Substituted in Phenylboronic Acid:The BOH…O Hydrogen Bond as a Constituent Unit of a One-Dimensional Suprastructure" Advanced Materials. 9. 346-349 (1997)
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[Publications] H.Yoshino: "In plane Angular Effect of Magnetoresistance of Quasi-One-Dimensional Organic Metals,(DMET)_2AuBr_2 and (TMTSF)_2C1O_4." J.Phys.Soc.Japan. 66. 2410-2418 (1997)
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[Publications] H.Yoshino: "Fine Structure of In-Plane Angular Effect of Magnetoresistance of(DMET)_2I_<3+>." J.Phys.Soc.Japan. 66. 2248-2251 (1997)
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[Publications] T.Akita: "Intermolecular Spin-Coupler : Ferromagnetic Spin-Interactions through Hydrogen Bond in the Complexes of Arylboronic Acids with with Aryl Ntronyl Nitroxi es." Mol.Cryst.Liq.Cryst.306. 257-264 (1997)
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[Publications] K.Takahashi: "Thiophene-fused DCNQI Derivatives : Their Copper Iodide Complexes as a New Family of Molecular Conductors." Phosphorus,Sulfur,and Silicon. 120. 421-422 (1997)