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1998 Fiscal Year Annual Research Report

強磁場が有機分子のコンホメーションに考える変化

Research Project

Project/Area Number 09874123
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

楠見 武徳  徳島大学, 薬学部, 教授 (70015882)

Keywords磁場と化学 / 異方性効果 / 磁化 / NMRとスペクトル / 誘起磁場
Research Abstract

一般にNMRスペクトル装置は非破壊的分析装置であるといわれている。また、NMRスペクトルで決定された分子形は、外力の影響を受けないそのままの形であるというのが常識である。しかし、NMRスペクトルは極めて強い磁場の中に化合物をおき、強い電磁波(パルス)を照射することで応答シグナルを測定する装置である。このような条件下で分子の形がゆがむかどうかについては明確な実験事実が無い。
本研究は強い磁場中におかれた有機分子が、分子形をどのように変化させるかを知るためのものである。例えば、環状に連結したπ電子系を有するベンゼン環は、強磁場中におかれると誘起磁場を発生する。この誘起磁場はNMRスペクトルにおいて異方性効果として観測することができる。このような誘起磁場を発生する官能基は磁場中で磁化していると見なすことができる。複数個のベンゼン環を有する有機化合物では、磁化したベンゼン環同士が磁気的な相互作用をすることにより分子形(コンホメーション)の変化をもたらすことが期待される。
このような観点からいくつかの化合物の合成を試みた。当初は環状の化合物で比較的分子形が固定されているものについて実験を行ったが、結局、直鎖状の二級アルコールに光学活性な2-naphthylmethoxyacetic acidを縮合させたものに強磁場による分子形の変形が観測された。
合成したエステルのプロトンNMRスペクトルを200,400,500,600MHz NMR装置を用いて測定した。磁場の強度とナフタレン環の分子内での平均存在率に差があることを認めた。

URL: 

Published: 1999-12-13   Modified: 2016-04-21  

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