1997 Fiscal Year Annual Research Report
多孔性ヒドロキシルアパタイト修飾電極による酵素の直接電気化学
Project/Area Number |
09874140
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
池田 修 金沢大学, 理学部, 教授 (60089878)
|
Keywords | ヒドロキシアパタイト / 修飾電極 / シトクロムc / 電気化学QCM / パルス電解 / リン酸一水素カルシウム / グラッシーカーボン電極 |
Research Abstract |
ヒドロキシアパタイト修飾電極として、市販の種々のヒドロキシアパタイト粉末を塗布した電極を作製した。このときのヒドロキシアパタイト粉末として太平化学産業製HAP200(柱状結晶)、HAP300(板状結晶)、球形HAP(球状結晶)およびカラムクロマトグラフ用(板状結晶、カルシウム欠損ヒドロキシアパタイト)を用いた。これらのヒドロキシアパタイト粉末の等電点を塩酸-水酸化ナトリウムの系での滴定によって求めたところ、pH=7.8、7.8、7.6および6.2であった。カラムクロマトグラフ用ヒドロキシアパタイトで等電点が酸性側にあるのはカルシウム欠損により正電荷が減少したためと思われる。これらのヒドロキシアパタイト粉末をグラッシーカーボン電極上に種々の量(平均値は35μg/cm^2)、塗布後乾燥してヒドロキシアパタイト修飾電極を作製し、シトクロムcの電極反応を調ベたところすベての修飾電極で電子移動反応の促進効果が認められた。等電点の影響が明確に現れなかった理由として、グラッシーカーボンが測定電位範囲で正に帯電しているため、ヒドロキシアパタイトの負電荷面(c面)が電極上に配向し、正電荷面(a面)とシトクロムcの負電荷サイトが静電的に相互作用することにより、電子移動に有効な配向が可能になったためと考えられる。 電解法によるヒドロキシアパタイト修飾電極を(1)塩化カルシウムとリン酸二水素アンモニウムの混合液および(2)リン酸一水素カルシウムの溶液を利用して作製した。白金電極、金電極、グラッシーカーボン電極を基体電極として電気化学QCMにより析出重量を求めたところ、いずれの電極に置いても電気量と析出重量との間には良い相関が認められた。64.5μg/0.20cm^2の電極についてシトクロムcの電極反応を調べたところ電極との間での速い電子移動が認められず、今後析出量を低下させ電極反応への影響を明らかにする予定である。また、析出物のX線解析結果はアモルファス様の結晶を与える時があるので、結晶性の向上のための電解条件を探る予定である。
|
Research Products
(1 results)