1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09874148
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
橘高 茂治 岡山理科大学, 理学部, 教授 (60068905)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 亨 岡山理科大学, 理学部, 教授 (00027020)
高原 周一 岡山理科大学, 理学部, 助手 (20289135)
|
Keywords | 酸化チタン / ナノ粒子 / 結晶成長 / ルチル / アナターゼ / 相転移 / 界面電気 / 酸化ジルコニウム |
Research Abstract |
アナタース型酸化チタンは,低温安定相と知られているが,通常ルチル型からの転移によって得られることはない.本プロジェクトでは,一旦ルチル型に結晶化した酸化チタンがいくつかの負の電荷を持つコロイド粒子を接触することによってアナタース型に転移することを見いだした.本研究はこの現象のメカニズム解明と,この現象のに関連する事象の調査を行うことを目的としている.この現象には,コロイド粒子界面の電場が重要な役割を果たしていると考えられる.本年度は,(1) 電場の転移への効果,(2) アナタース型酸化チタンのルチル型への転移のイオンの効果,(3) この種の相転移を示す他の系の探索を行った. (1) 塩酸中でアルコキシドを加水分解して得たルチル型微粒子を2種の系で電場の効果を調べた.(a) 〜10voIt/cmの純水中, (b) 〜1000voIt/cmのアルコール中の同系で100時間行ったが,ノレチル型かちアナタース型への転移は観察されなかった. (2) 沈殿法で得た酸化チタンのアナタース型からルチル型への塩酸による転移は前回確認した.しかし,ゾル-ゲル法で得たアナタースは,HClも含めてHNO_3,HBr,HI,HClO_4,H_2CrO_4において,H_2CrO_4を除いて他の酸はアナタース相をそのままで分散した.H_2CrO_4では分散されなかったが,ルチル型への相転移も観察されがかった. (3) 相転移が期待される他の酸化物コロイド粒子として酸化ジルコニウムを調べた.種々の負イオンの酸を接触したが,結晶化は観察されなかった. 本研究の結果は概略以下のようにまとめられる.(a) 酸化チタンの安定相であるルチル型結晶構造を決定するのは微粒子の負の表面電荷が塩化物イオンだけと考えられていたが,実際はその決定機構は複雑で,その解明にはより系統的な研究が必要なことが分かった。(b) この現象には界面電場の影響が重要と考えられるが,1000volt/cmの電場では十分でなく,さらに強い電場が必要と思われる.
|
-
[Publications] Shigeharu KITTAKA 外: "Transformation of Ultrafine Titarium Dioxide Particles from Rutile to Auatase at Negatively charged Colleid Surface" J.Solid State Chem.132. 447-450 (1997)
-
[Publications] Shigeharu KITTAKA: "Interaction of Ultrafine Titanium oxide Particles with Layered Vanadium oxide Hydrate" Mat.Res.Soc.Symp.Proc.S. 520. 179-184 (1998)
-
[Publications] Shigeharu KITTAKA: "Cryetal Structure of α-AgVo_3 and Phaec Relation of AgVO_3" J.Solid State Chem.142. 360-367 (1999)