1997 Fiscal Year Annual Research Report
RNA結合タンパク質の作用機作の根拠となる数字的モデルの構築
Project/Area Number |
09874167
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 直樹 埼玉大学, 理学部, 教授 (40154075)
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Keywords | RNA結合タンパク質 / 分子進化 / 計算生物学 / 細胞分化 |
Research Abstract |
シアノバクテリアには低温誘導性のRNA結合タンパク質群が普遍的に存在する。この遺伝子の一つを不活性化すると,低温特異的にヘテロシスト分化系が作動する。このように一般的細胞因子が特異的反応を引き起こすことに対して,一般的な理論的根拠となるモデルを構築することを目的として,理論と実験を行った。 1。数学的モデルの解析的な解 いくつかの制御モデルに対して,微分方程式,または,差分方程式を作製し,これに対する一般解を数学的に求める操作を,コンピュータを用いて計算することとし,そのためのハードウェアとソフトウェアの整備を行った。基本的には,LinuxOSで動くPCとSilicon Graphicsを用いて,C言語またはFortranでプログラムを作る環境をつくった。計算用のソフトとして,calc,octave等を利用できる環境を整備した。また,分子構造から反応を検討するため,分子モデリングのソフトRasmol,Molmol,Modeller,Whatlf,ChemDraw等を整備した。実際の計算の予備的な準備の段階である。 2。モデルを検証するための遺伝子操作実験 RNA結合タンパク質のRNA結合特性について詳しく検討するために,site directed mutagenesisを行い,一部のアミノ酸残基を置換することにより,RNAとの結合特性が大きく変わることがわかった。特に,RbpAlタンパク質が生体内ではポリ(A)と結合する可能性が示唆された。これは,モデル作りに大きな影響があり,今後,今までとは違った方向からモデルを考える必要がでてきた。 なお,この過程で,ゲノムの分子進化についての解析を行うためのソフトウェアSISEQパッケージも開発し,ホームページに公開した。
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Research Products
(1 results)