1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09874175
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宝月 岱造 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (10107170)
|
Keywords | 組織和合性 / 接ぎ木 |
Research Abstract |
本研究は、異組織間の和合性に関する特殊な例として、ヤドリギに着目し、ヤドリギの組織培養系と、ポプラーヤドリギ接ぎ木実験系を確立し、ヤドリギの宿主親和性を形態学的に解析することにより、異植物組織間の和合性と非和合性のメカニズムを追求するものである。 1.今年度は、ヤドリギの組織培養系を確立するために、葉切片及び茎切片を滅菌し、ナフタレン酢酸(NAA)及びベンジルアミノピリン(BAP)を含む1/2MS寒天培地上で培養した。その結果、いくつかの培養上の問題点が明らかになった。第一の問題点は、材料を野外から採ってきているため、組織中にも微生物が混入しており、滅菌が困難なことである。また、滅菌条件を強くすると、組織の黒変化が起こり、葉切片及び茎切片からの培養組織の誘導が極めて困難であることが解った。来年度は、種子からの誘導を試みる予定である。 2.ヤドリギのシュートを、ポプラの枝に芽接ぎ及び寄せ接ぎを行った。しかし、全てのケースで、葉の脱落が一日以内で起こり、さらに数日のうちに委凋した。来年度は、種子の侵入を中心に検討を行う予定である。
|