1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09875025
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡辺 一実 山形大学, 工学部, 教授 (90091769)
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Keywords | 波動 / 異方性 / 弾性波 / 円柱座標 / 点震源 |
Research Abstract |
均質等方性弾性体中の点(線)震源による弾性波動場は完全に解かれており,その解はグリーン関数とさまざまなに応用されている.また,直交直線座標系での直交異方性体中の波動場を与えるグリーン関数は多少数値的なきらいもあるが,一応求められている.極異方性体を対象とした本研究はこれに続くものであり,円柱座標系での直交異方性体の弾性波動場を与えるグリーン関数解を求め,その波動場,特に波面形状の時間発展を明らかにすることを目的としている. 本研究は平成9・10年度の2年間に渡る継続研究である.本年度は初年度であり,本年は極異方性体中の波動場を支配する連立波動方程式を導入し,調和震源と衝撃震源によるグリーン関数解を求めた.しかしながらこの解は無限級数表示であり,波動現象を明確に表現できない.このため,数値計算によってのみ波動現象が表現される.調和震源による定常応答解(級数解)の数値計算をおこなっており,その成果は国際会議(3^<rd> International Conference on Materials Engineering for Resources)にて発表される. また,衝撃震源による応答解もまた級数形で得られた.しかし衝撃応答は逆ラプラス変換を行う必要があり,この級数表示解は逆変換に適しない.このため,現在は積分変換域での閉じた形の厳密解を求める工夫を探索している状態にある.現在までに試みられた工夫は(1)連立微分方程式から単一高階微分方程式への変換,(2)新しい未知関数の導入による既知微分方程式への変換である.残念ながら,未だ所望の閉じた形の厳密解を得るような変換方法が見つかっていない, 尚,関連問題として熱的極異方性体中の点熱源によるグリーン関数解が発見され,国際研究誌(ZAMM,Vol.78,No.5,pp.359-363)に掲載されることになった.
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Research Products
(1 results)